2024年 6月 18日 (火)

「歴史的だ」電撃的な提携に激震! 対立してきた日本郵政とヤマトHDの手打ちに、物流業界がとてつもなく驚いたワケ

   物流の「2024年問題」を前に、激しく対立してきた物流2社も手を結ばざるを得なくなった。日本郵政とヤマトホールディングス(HD)のことだ。

   両社は2023年6月19日、ヤマト運輸のメール便や小型荷物などの配達を日本郵便に全量委託すると発表。電撃的な提携は業界に衝撃を与えた。

  • 日本郵政とヤマトHDが手を結ぶ(写真はイメージ)
    日本郵政とヤマトHDが手を結ぶ(写真はイメージ)
  • 日本郵政とヤマトHDが手を結ぶ(写真はイメージ)

「信書」にかかわる問題から...メール便の扱いで、対立してきた日本郵政とヤマトHD

   発表によると、ヤマト運輸が「クロネコDM便」の名称で展開するメール便について2024年1月末をめどに、そして、自宅ポストで荷物が受け取れる「ネコポス」も25年3月末をめどに終了する。

   これらに代わって、日本郵便の配送網を活用した「クロネコゆうメール」を新たなにスタートし、ヤマト運輸が日本郵便に委託料を払うかたちでサービスが展開される。メール便領域は、こうしたスキームで継続される。

   だが、今回の協業に、驚きの声をあげたのは物流業界だ。関係者の一人は「ある意味、歴史的だ」と解説する。

   背景には、日本郵政とヤマトHDが長年、メール便の扱いをめぐり対立を続けてきた歴史がある。

   そのキーワードとなるのが「信書」だ。

   郵便法は信書を「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」としており、はがきや手紙がこれに該当する。

   事は「信書の秘密」という憲法にかかわる問題だ。

   憲法は第21条2で「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」と定める。このため、信書を配達するには厳しい規制があり、事実上、日本郵便による独占状態が続いている。

   これに長年、異を唱えてきたのがヤマトだ。

   「信書の定義があいまいで、公平な競争環境が阻害されている」と批判。1997年には信書以外の小型荷物の需要を狙った「クロネコメール便」を打ち出し、企業向けを中心に一気にシェアを拡大した。

   しかし、問題が生じる。

   メール便などヤマトが配送する荷物の中に、手紙など信書に当たる文書が入っているとして国側とたびたび、対立してきた経緯がある。ヤマトは「発送者が罪に問われる恐れがある」として2015年に従来のメール便の廃止に追い込まれた。

   その後継となったのが、カタログやチラシ、パンフレットの配達など、法人向けを主体にすることで信書の誤混入を防止した「クロネコDM便」だ。

   もちろん、ヤマトはクロネコメール便廃止後も規制緩和の旗を降ろしたわけではなく、ホームページで信書の問題点を訴え、国に改善を働きかけ続けてきた。

   それがここにきて一転、日本郵便への全量委託のかたちで、因縁のメール便事業を終了することにかじを切った。それだけに、物流業界には「まさか、ヤマトが」と衝撃が走ったわけだ。

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