2024年 5月 19日 (日)

生成AIチャットは「就活では使わない」58.4%、でも「就職後は仕事で使う」72.7%の意外なギャップ 現役大学生が思う「生成AIに代替される」職種トップ3は?

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   話題にならない日はない、ChatGPTやBardなどの生成AIチャット。就活中の学生はどのように受け止めているのだろうか。たとえば、エントリーシートや自己PR文の作成には使いたいと思っているか。あるいは、入社後は?

   キャリアや就職、転職の匿名相談サービス「JobQ」を運営する株式会社ライボ(東京都渋谷区)は2023年6月19日に、全国322人の学生を対象にした「2023年 生成AIの就活実態調査」を発表した。

   調査によると、現役大学生のうち、生成AIに興味のある学生は91.3%に上ることがわかった。一方で、就職活動へのAI活用を質問すると、「使用する派」の学生は41.6%、「使用しない派」の学生は58.4%と、かなり拮抗している。

   自由回答欄でもさまざまな学生たちの意見が上がり、「(AI使用に対する)企業の対応にも注目したい」、「エントリーシートなどをAIに任せるのは危険」など、学生たちもいろいろな思いを持っているようだ。

  • 生成AIチャットの利用について、学生の意識は?(写真はイメージです)
    生成AIチャットの利用について、学生の意識は?(写真はイメージです)
  • 生成AIチャットの利用について、学生の意識は?(写真はイメージです)

生成AIの印象、94%の学生がポジティブな印象 「AIを使いこなすことが他者との差になる」との意見も

   この調査は2023年5月31日から6月5日にかけて、2024卒・25卒・26卒・27卒の全国男女の大学生のうち、就活相談サイト「JobQ」に登録している322人を対象にインターネットで行った。

   はじめに、生成AIの認知度を聞いてみた。すると、「知っている」が「92.9%」で、知らないが「7.1%」だった。

(Job総研の作成)
(Job総研の作成)

   そのうえで、生成AIへの興味を聞いてみると、「とても興味がある」(34.5%)、「興味がある」(37.9%)、「どちらかといえば興味がある」(18.9%)をあわせると、「91.3%」の学生が生成AIに興味があることがわかった。

(Job総研の作成)
(Job総研の作成)

   さらに、生成AIチャットに対する印象はどうか。ポジティブか、ネガティブかで聞いてみると、「とてもポジティブ」が「24.7%」、「ポジティブ」が「40.5%」、「どちらかといえばポジティブ」が「28.8%」となった。これらをあわせると、よい印象を持っている学生は、「94.0%」に及ぶ。

   一方で、「どちらかといえばネガティブ」が「5.7%」、「ネガティブ」が「0.3%」となり、悪い印象を持っている学生は6.0%に留まった。

   自由回答では、さまざまなポジティブな意見と、ネガティブな意見が集まった。

●ポジティブな意見
・技術が発展すると同時に規制や取り決めをきちんと決める必要があると思う
・人口減少によって労働力不足が加速する日本においてAIの力は必ず必要になると思う
・AIチャットを上手に使いこなすための知見を高めることで他者との差が出る時代
●ネガティブな意見
・使い方を間違えると自分の思考がなくなっていきそうでこわいです
・学校から使用制限が出されているが、個人の判断に依存するので制限には限界がある

   などが上がり、それぞれの学生で違う意見を持っていた。

就職活動や就職後の仕事でAIは使う?使わない? 就活には58.4%が使わない

(Job総研の作成)
(Job総研の作成)

   それでは、就職活動への生成AIチャットの利用はどのように考えているのか?

   就職活動に生成AIチャットを使用するかどうかを聞いたところ、「使用する」は「15.8%」で、「たぶん使用する」は「25.8%」となった。あわせると「41.6%」となる。

   他方で、「たぶん使用しない」が「17.4%」、「使用しない」が「41.0%」となり、過半数を超える「58.4%」の学生が使用しない派に傾いた。

   続いて、生成AIチャットは就職活動に役立つかどうかを聞いてみると、「とても役立つと思う」が「27.2%」、「役立つと思う」が「33.9%」、「どちらかといえば役立つと思う」が「30.3%」となり、あわせて「91.4%」の学生はAIが就職活動に役立つと判断したかたちだ。

(Job総研の作成)
(Job総研の作成)

   具体的な利用方法では、「エントリーシートの作成」が「59.7%」で最多だった。次いで、「自己PR文の作成」が「50.7%」、「情報収集」が「46.3%」、「業界研究」が「43.3%」、「面接対策」が「26.1%」、「その他」が「7.5%」となった。

   生成AIチャットの就職活動への利用に関する自由回答を見てみると、

・生成AIを使用する就活は当たり前になっていきそうだけど企業の対応も注目したい
・試しに就活で必要な資料作成に使ってみたけど、クオリティが高いもので驚いた
・就活にAIを用いるのは企業側も同様だと思うので今後使っていきたい
・まだ的外れな回答も多いので信頼性に欠けるし、個人情報の観点に懸念がある
・AIに就活で使用する資料を作らせても企業側にばれた時のリスクが大きい
・生成AIで文章作成して課題提出をしている人がいたが自分のためにならないと感じた
・就活のエントリーシートや志望動機、または自己PRなどをAIに任せるのは危険

   という意見が上がっている。

(Job総研の作成)
(Job総研の作成)

   つづいて、生成AI登場による職業観の変化についても質問した。

   就職後に生成AIを使用する意欲を聞いてみると、「とても使用すると思う」は「15.8%」、「使用すると思う」が「28.9%」、「どちらかといえば使用すると思う」は「28.0%」となった。あわせて「72.7%」の学生が、就職後に生成AIを仕事で使うと回答した。

   就職活動中は「使用しない派」が多かったのに対して、就職後は「使用派」が多いというのもユニークな結果だ。

(Job総研の作成)
(Job総研の作成)

   また、学生たちが生成AIに代替されると思う職種を聞くと、「事務系」が「60.9%」で最多になった。次いで、「ライター系」は「43.2%」、「技術職(開発・エンジニア関連)」が「27.6%」、「管理系」が「27.6%」、「コンサルタント系」は「20.5%」で5番目となった。

   さらに「職業観」を深く探るために、代替されると思う職業が「生成AIの職種選びへの影響」を聞いている。それによると、「希望から外す」が「14.9%」、「たぶん希望から外す」が「46.9%」、「希望から外さない」が「19.3%」、「たぶん希望から外さない」が「18.9%」という結果となり、「希望から外す派」は最多の「61.8%」となった。このあたりも、生成AIが社会に与えた影響といっていいだろう。

   そのほかにも、具体的に、生成AIの社会への影響に対する意見を見てみると、

・人間の仕事を奪う可能性を検して就活での企業選定や職業の志望が変わってきそう
・AIチャットによってなくなる職種もあれば,新たに作られる職種もあると思う
・AIが人間の仕事を奪うイメージが強いので職業選定は慎重にしていきたい
・優秀な人ほど、AIチャットを上手に活用しているように思える

   などが上がった。

   これらの調査に対して、「Job総研室長」の堀雅一氏は以下のようにまとめている。

「今後さらにAIの発展や普及が進むことで、就活での使用率は増加すると推測できます。
その裏付けとして、すでに就活で使用した目的では『エントリーシートの作成』や『自己PRの作成』が過半数で上位を占めていることからも見えてきます。
前述した『就活に役立つ』事として、この2つは多くの学生の中でイメージしている傾向がみられ、72.7%が「就職後に仕事で使用する」と回答していること、さらに94.0%が生成AIに対して『ポジティブな印象』を持っているといった回答結果からも、今後就活でAIを使用する学生の数は増えると予測できます」
「そうした時代の転換機とも言えるタイミングで就活をする学生にとって、AIを就活で使用することの是非が問われ、採用する企業側でも対応の変化が問われていくことが推測できる調査結果になりました」
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