W TOKYO「東京ガールズコレクション」運営会社が新規上場! 社員の平均給与はいくら?【よくわかる企業分析】

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   就職先や転職先、投資先を選ぶとき、会社の業績だけでなく従業員数や給与の増減も気になりませんか?

   上場企業の財務諸表から社員の給与情報などをさぐる「のぞき見! となりの会社」。今回取り上げるのは、2023年6月29日に東証グロース市場に上場したばかりのW TOKYO(ダブル トウキョウ)です。

   W TOKYOの前身は、2005年に「第1回東京ガールズコレクション(TGC)」を企画・開催したゼイヴェル。TGCは、2008年に経営不振で商標権が売却されるなど運営状況が悪化し、2015年にディー・エル・イー(東証スタンダード)が流出した商標権を取得します。

   同年にディー・エル・イーの100%子会社としてTOKYO GIRLS COLLECTIONが設立され、2017年にW TOKYOに社名変更。2018年のディー・エル・イーの粉飾決算事件を機に、親会社から商標権取得、2019年に新株主体制による独立を果たします。

TGCへの企業協賛金やチケット販売が主な収入

   それではまず、W TOKYOの近年の業績の推移を見てみましょう。

   若い女性に強い人気のTGCは、2005年に第1回を開催、2006年から2009年までは年2回(3月と9月)開催していました。2010年以降は年2回に加え、地方都市でも開催。2019年にはTOKYO GIRLS MUSIC FES.を含め、6回のイベントを開催しています。

   しかし2020年に入ると、コロナ禍の影響が拡大。「無観客開催」「開催延期」「オンライン開催」などを余儀なくされました。この影響で2021年6月期の売上高は激減、営業赤字に転落しています。

   2022年3月には感染拡大防止対策をとりながら、2年半ぶりに有観客開催を復活。営業損益は9000万円台にとどまりました。ソフトウェア購入のための国庫補助金収入の圧縮記帳によって法人税等調整額がマイナス4718万円となり、最終利益はおよそ1.3億円となっています。

   W TOKYOは「ブランディングプラットフォーム事業」の単一セグメントですが、主要サービス領域は大きく3つに分けられます。

   1つめは「TGCプロデュース領域」。TGCとは、日本のリアルクローズ(現実生活で日常的に着こなせる衣服)のファッションショーをはじめ、音楽ライブやインフルエンサーのステージ、話題のアイテムの展示ブースなどを組み合わせた発信型プラットフォームです。

   W TOKYOはこの事業で、企業からの協賛金収入、チケット販売による収入およびブランド出展料収入を得ています。また、TGCの企画・ブランド力を活かした地方都市での開催、シティプロモーションの展開等により、地方自治体からも収入を得ています。

   2つめは「コンテンツプロデュース・ブランディング領域」で、TGCの企画力・ブランド力を活かして、インフルエンサーやアーティストを広告塔としてキャスティングし、広告キャスティング収入やクリエイティブ制作収入を得ています。

   3つめは「デジタル広告領域」で、アフィリエイト・サービス・プロバイダー(ASP)「アフィリエイトwalker」を展開。また、TGC公式メディア「girlswalker(ガールズウォーカー)」の運営を通じて、タイアップ広告収入などを得ています。

こたつ経営研究会
こたつ経営研究会
有価証券報告書や決算説明書などの公開情報を分析し、会社の内情に思いをめぐらすニューノーマルな引きこもり。昼間は在宅勤務のサラリーマンをしながらデイトレード、夜はネットゲームをしたりこたつ記事を書いたりしている。好きなピアニストはグレン・グールド。嫌いな言葉は「スクープは足で稼げ」。
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