25年卒就活から変わるインターンシップのルール 守らない企業でも選考受ける学生84.9%...理由は「チャンス逃したくない」

   2025年卒就活生以降、インターンシップのルール変更があるが、その認知度について当事者の学生たちはどれくらい把握しているのだろうか?

   キャムコムグループのインタツアー(東京都港区)は2023年8月3日に、2025年卒と2026年卒の大学生を対象とした調査「インターンシップルール変更についての学生意識調査」の結果を発表した。

   調査によると、回答した全体の学生のうち、インターンシップの内容変更を把握している学生は2割程度にとどまり、まだまだ周知が必要なことがわかった。

   一方で、改定後のルールに従わず、早期案内を出す企業について、45.0%は「特に何も思わない」だったが、39.4%は「採用に意欲的で好印象」との答え。しかも、そうした企業から先行案内が来たら「受ける」という学生が84.9%だった。

   その理由としては、「チャンスを逃したくないため」(77.8%)、「できるだけ多くの企業を受けたいため」(38.6%)などが挙げられており、学生たちの気持ちの面を思うと、なかなか難しい面もあるのかもしれない。

インターンシップの内容が変わる(写真はイメージです)
インターンシップの内容が変わる(写真はイメージです)

インターンシップのルール変更 「知っている」41.0%、「変更点まで把握している」21.1%

   2022年6月、経済産業省・文部科学省・厚生労働省による「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」が改正された。それによると、2025卒の就活生以降は、一定の基準に達した取り組みのみを「インターンシップ」と定義。参加した学生の情報を採用活動に利用できるようになった。しかし、同社によると、こうしたルールに従わず、基準を満たしていないのに早期選考案内などを行う実態もあるという。

   そこで、今回の調査では25卒~26卒学生を対象として、インターンシップのルール変更の認知度や、実質的にルールが順守されていないことをどう考えるかなどを聞いた。

   この調査は2023年5月29日から6月9日にかけて、「インタツアー」のサイトとSNS経由のWEBアンケートを行った。25年卒と26年卒を対象とした。調査母数は1万987人(文系学生9927人、理系科学性1060人)で、回答数は558人(25卒=483名、26卒=75名)。

(インタツアーの作成)
(インタツアーの作成)

   はじめに、25卒からインターンシップの制度が変わることを知っているか聞いた。それによると、全体の「41.0%」はルール改正を知っており、残りの「59.0%」はまだ知らなかった。

(インタツアーの作成)
(インタツアーの作成)

   また、はじめの質問で「知っている」と答えた人にどこで知ったかを聞いた。すると結果は、「大学」(60.0%)、「新聞等マスコミ」が「18.2%」、「就活用サービス」(16.4%)、「SNS」(5.5%)という結果になった。

(インタツアーの作成)
(インタツアーの作成)

   さらに、同じ回答者に「いつ頃知ったのか」聞くと、「2022年まで」は「30.8%」、「23年1月・2月」は「2.6%」、「23年3月」は「20.5%」、「23年4月」は「38.5%」で最多になった。「23年5月」は「7.7%」となった。

(インタツアーの作成)
(インタツアーの作成)

   続いて、同じく「知っている」と答えた学生に変更点が把握できているか聞いた。すると結果は「51.5%」の学生が内容を把握していた。これは、調査に回答した学生全体の「21.1%」にあたる計算だ。

   同社では、「詳しい理由については『自分で情報収集をして補った』『以前のルールがどうだったかわからない』といった回答が見られ、変更があったことは知っているものの、就職活動にどういった影響が起きるのか認知できている学生は少数であると推測されます」としている。

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