万里の長城に長蛇の列! それでも「外国人観光客が中国に来ない」って本当?
中国人の海外旅行を解禁すると同時に、外国人の中国への入国旅行も解禁されました。夏の観光シーズンとあって、観光地は多くの観光客であふれているようです。万里の長城は長蛇の列で、北京の故宮などの観光名所のチケットは数分で完売したと伝えられています。
街は混雑し、地下鉄駅も通常よりも混雑しているなか、外国からの観光客はほとんどいない、と多くの海外メディアが実情を報じていました。
China is open for tourism, but no one is coming
(中国は外国人観光客の受け入れを再開、でも、誰もやってこない:仏メディア)
コロナ禍前は、北米やヨーロッパなど多くの国の人にとって人気旅行先であった中国ですが、パンデミックの記憶がまだ生々しいからか、観光客がすっかり遠のいてしまった様子。外国からの観光客は、ビジネス目的の人を含めてもピーク時の20%に満たないそうです。
多くのメディアが指摘しているのが、中国と各国間を結ぶ国際便の減少です。各国の航空会社が中国便の増便計画を発表していますが、パンデミック中に急激に減らした便数を回復するまでに至っていません。
たとえば、中国とアメリカは23年10月末までに、往復便を週に24便に増やすことで合意しています。コロナ禍前の週間便数は340便だったそうですから、まだ10分の1にも達していません。ピーク時レベルへの回復には、相当な時間がかかりそうです。
とりわけ、中国人の海外団体旅行は中国の航空会社に依存していることから、航空便のキャパシティが大幅に増加しない限り、中国人観光客の大幅な増加を期待するのは難しいと指摘されています。パンデミックが与えた影響は、想定以上に大きいようです。
それでは、「今週のニュースな英語」は、「mute」を使った表現をご紹介します。日本語に定着したことばを英語でも使えるようになると、英語の面白さを実感できます。
I think you're muted
(音声がミュートになっていますよ)
Russia's victory day expected to be muted this year
(今年のロシアの戦勝記念日は、おとなしくやるようだ)
Demand for urban homes will be 'muted' for years: McKinsey
(都心部住宅の需要は、しばらく落ち着くだろう:マッキンゼー)
コロナ禍後の「リベンジ旅行」でにぎわった23年の夏。世界中でインフレが加速するなか、「海外旅行はまだ限られた一部の人だけの特権」という英BBC放送のコメントに「そのとおり!」と大きくうなずいてしまいました。
円安とインフレのダブルパンチで日本人にとって海外旅行は高根の花。海外旅行をためらっているのは、中国人だけではなさそうです。(井津川倫子)