健康経営優良法人の認定を目指す企業経営者にヒントを――。そんな思いのもと、連載中の「健康経営のススメ！」。これまでに認定を受けた企業や、積極的に健康経営を推進している企業の先進事例のほか、コロナ禍で社会的課題となった従業員のストレス対策として、産業医のアドバイスを有効活用する企業の事例など、できるだけ具体的なノウハウに焦点を当ててきた。第19回は、2023年に経済産業省の健康経営優良法人認定ブライト500に認定されている1949年の創業の植物化学の専門企業、千葉県佐倉市木野子を拠点に医薬品原薬、健康食品素材等の製造販売を手掛ける、株式会社常磐植物化学研究所。創業以来、社会に役立つ植物化学成分の新たな価値づくりに挑戦し、植物のちからを引き出すことで、専門企業ならではの製品とサービスを提供している。従業員は120人。代表取締役社長の立﨑仁（たつざき・じん）さんに話を聞いた。「Waku-waku健康宣言」がフォーカスする6つのアクション――御社では健康経営方針として「Waku-waku健康宣言」を実施されていますが、こちらについてお聞かせください。立﨑社長 社員の健康こそが社員の幸福と全事業におけるサステナビリティ活動の根幹であると考えています。そこで、コロナを機に、健康経営方針として「Waku-waku健康宣言」を実施し、社員の健康増進に努めています。具体的には、（1）感謝とワクワク（2）べジファーストと噛む習慣（3）適度な運動習慣（4）「健康経営サプリ」の提供（5）健康的な知識・意識の向上（6）健康診断の実施と人間ドッグの推奨の6項目の宣言となります。――「健康経営サプリ」とはどのようなものですか。立﨑社長 「健康経営サプリ」は当社の事業を活かした取り組みのひとつで、70年以上にわたり研究し続けてきたエビデンス豊富な当社の植物エキスを配合した、社員の、社員による、社員のためのオリジナル処方のサプリメントです。福利厚生の一環として、社員に無料で提供しています。実は、この取り組みは社外からも好評で、2022年1月より福利厚生サービスとして外販を開始しました。すでに15社以上の企業に導入いただいています。――「べジファーストと噛む習慣」はどのような目的で実施されていますか。立﨑社長 「べジファーストと噛む習慣」は、何か特別なことをしようとしても長続きしません。できることを継続してやろう、という取り組みのひとつです。野菜を先によく噛んで食べる。従業員の健康を第一に考え、野菜や果物の300グラム（キャベツ4分の1玉相当）摂取の推奨をしています。また、「ウェルビーイング」を体現できる場所として、本社に隣接している佐倉ハーブ園内に、噛む習慣、べジファースト、玄米ご飯を含めた野菜がたくさん食べられる健康食堂「sakuraヘルシーテラス」を開設しました。――その他の取り組みもご紹介ください。立﨑社長 「適度な運動習慣」は、アンケート等の状況から、運動不足の認識はありましたので、継続的にできる運動ということで、「ラジオ体操の公認指導者資格」を正社員の80%が取得しました。講習を受けることによって、正しいと思っていた動きが、実は間違っていたということも多く、毎日2回行っているラジオ体操に対しての意識も変わり、さらなる健康増進に努める好循環になっています。また、ウォーキングの推奨についても仕組みづくりを行っています。――今後の展望をお聞かせください。立﨑社長 「健康・長寿の達成」は、SDGsの実施指針にもなっており、医から食、治療から予防へ市場の関心も高まっています。高い使命感を持って植物とヒトの明るい未来を提案し続けていきたいと考えています。サステナブルな事業環境をつくるには、社員の健康が土台となります。その土台の質を高めるためにすべての策を講じていきたいと思っています。たとえば、選択制の週休3日制の導入、2時間単位での有給休暇取得。また、健康は身体だけではなく、精神的な健康も大切です。ストレスチェックの実施、メンタル相談窓口、ハラスメント対策等、常に本音が言える自由な風土づくりをさらに進めていきたいと思います。健康経営のさらなる推進に向けて、「ウェルビーイング部」を2023年10月に創設しました。そして、「sakuraヘルシーテラス」を通じて、地域社会にとっても「ウェルビーイング」が体現できる地域コミュニティの場づくりを行っていきます。――ありがとうございました。【会社概要】株式会社常磐植物化学研究所代表取締役社長 立﨑仁さん・本社所在地 千葉県佐倉市・主な事業内容 医薬品原薬、化粧品原料、食品添加物、健康食品素材等の製造及び販売・従業員数 120名・健康経営優良法人認定ブライト500 2023認定企業 https://www.tokiwaph.co.jp/
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