自分で自分の機嫌を取ることが得意な人ほど、洋菓子(スイーツ)を週に1回以上購入している――。洋菓子メーカーのモンテール(埼玉県八潮市)が2026年2月26日に説明会を開き、働き方や価値観が多様化する現代における「スイーツの多様な楽しみ方」についての調査結果を発表した。登壇した東京大学大学院経済学研究科講師の元木康介氏(消費者心理学)は、「ご自愛上手な人ほどスイーツを日常に取り入れている点から、スイーツがセルフケアの一つとして上手に使われていることがうかがえます」と説明。この傾向は、出来事の意味付けを新しい視点から捉え直す「認知的再評価」が実際の行動として表れていると分析した。「ご自愛上手な人」の方が幅広い気分でスイーツを食べるモンテールは2月26日、スーパーやコンビニで販売されるスイーツに関する経年調査の最新結果に加え、「スイーツの多様な楽しみ方」を明らかにした「スーパー・コンビニスイーツ白書2026」を発表した。スーパー・コンビニのスイーツに関する調査は07年から毎年実施。16歳から64歳の男女約1000人を対象にインターネット上で行っている。最新結果によると、スーパー・コンビニのスイーツに使う平均金額が227円で、過去最高値を更新した。物価高の影響だと分析している。そのほか、スイーツの購入場所は「スーパー」が12年連続で首位、スーパーのスイーツの魅力として「価格」が13年連続で1位だった。また、スーパー・コンビニで購入される人気スイーツランキングは、「シュークリーム」が19年連続でトップを維持し、「プリン」も19年連続で2位となっている。モンテールは「スイーツの多様な楽しみ方」についての分析結果も公表。この調査は、月1回以上スーパー・コンビニでスイーツを購入すると回答した20代から60代の男女2000人を対象に、25年11月14日~17日にインターネットで実施した。同調査では、「自分で自分の機嫌をとるのが得意かどうか」を5段階の評価で回答してもらい、「得意」「どちらかといえば得意」と答えた人を、「自分の機嫌を取るのが得意=ご自愛上手な人」と定義した。どのような「気分」のときにスイーツを食べるかという質問で明らかになったのは、「ご自愛上手な人」の方が、幅広い気分でスイーツを取り入れている傾向があったことだ。そのうち「ポジティブな気分」に分類される9項目の全てで、自分で自分の機嫌を取ることが「得意」な人は、「苦手」な人よりも食べていることが分かった。特に「自分を褒めてあげたいとき」に食べる割合は「苦手」な人よりも14.5%高い43.6%、「うれしいとき」でも11.9%高い44.4%だった。さらに、週に1回以上スイーツを購入する割合については、「得意」な人が60.0%に達した一方、「苦手」な人は36.5%にとどまり、23.5%もの差が開いた。モンテールは、「ご自愛上手な人」ほど日常にスイーツを取り入れていると分析している。「スイーツを食べることで気分をポジティブに切り替え」前出の元木氏は、スイーツの消費者心理学について説明。「食べ物は栄養だけではなく、気持ちに影響を与える存在」だと言い、甘い味は昔から安心や優しさと結びついていたと指摘した。また、現在の消費者が甘いものに惹かれる一因について、「忙しさや情報過多、ストレスなどの課題・問題を抱える現代の消費者は、スイーツを食べることで気分をポジティブに切り替えている」と説明した。元木氏によれば、スイーツを食べる行為には3つの心理的役割がある。(1)楽しい・嬉しいなどのポジティブな気分を維持したり高めたりする働き(2)怒りや不安などのネガティブな気分を抑えたり落ち着かせたりする働き(3)自分を褒めたり頑張った自分を思いやったりする「セルフコンパッション(自分を思いやる気持ち)」の働き――というものだ。さらに元木氏は、出来事の意味付けを新しい視点から捉え直す「認知的再評価」という概念を紹介した。どういうことかといえば、たとえば、「今日は疲れて、何もできなかった」と認識するのではなく、「今日はよく頑張ったから、自分のご褒美に甘いものを食べる」と新しい視点から捉え直すことを意味する。「スイーツをきっかけにした認知的再評価で、現代の消費者の気分を『忙しい・疲れた・何もできない』ではなく、『自分のご褒美に甘いもの』とよりポジティブにしていくことが出来るのではないかと考えています」そのため、「ご自愛上手な人」ほど日常にスイーツを取り入れているというモンテールの分析結果に対し、元木氏は「スイーツを取り入れることが、出来事の意味付けを新しい視点から捉え直し、自分の機嫌を整えて前向きに回復させるセルフケアにつながっていることを示しているのではないか」とコメントした。
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