2024年 4月 23日 (火)

他の誰とも違う強烈な個性 「マキシマム ザ ホルモン」


『Deco Vs Deco デコ対デコ』
マキシマム ザ ホルモン/2008年3月19日発売
VPBQ-19050/4890円
VAP


   今回は"若者文化"のお勉強。若い頃は誰でもそうだと思うのだが、無理をする。分かっていても、する。背伸びをしたり、見栄を張ったり、謝れば良いのに開き直ったり。その姿がかえって面白かったり、時代を映し出したりするから、奇妙な文化像としてメディアに取り上げられ、流行になったり、批判の対称になったりする。たりたりたりたりうるさいが、大目に見てください。

   一昔前の渋谷のヤマンバや、もう一昔前のルーズソックスや、もっと前のたけのこ族やらローラー族、もっと前のフーテン族等など、大人から見ればアホとしか思えない価値観と風体だったのだろう。

   いま街を歩くと、なんでもありだ。どう見てもネバダ砂漠の歓楽郷・ラスベガスの街娼にしか見えないファッションの女子がいたり、秋葉系と呼ばれるオタク・ファッションの男子がいたり、メイド服のまま街中を闊歩する女子がいたり。もちろんパンクもいれば、サーファーもいる。と、そこで奇妙な思いに駆られるのだ。

   昔々、カウンターカルチャーという言葉があったように、若者文化には確かになにかに対する反抗といった意味合いがあった。だが、最近の街を歩いている若者をみても、そういう匂いが全くない。

   もっと分かりやすくいうと、パブリックとプライベートという区分が昔ははっきり存在していて、若者はそのパブリックにプライベートを持ち込み軋轢を生み、新しい価値を生み出したりしてきた。だが、今は公私の区別がほとんどなくなっている。だから、軋轢もない。大人もシカツメらしい顔はしてみせるものの、別に若者に何かを強いるわけでもない……。さあ、こうなるとこの先どうなる? ……時間が経てばわかるのだろうが……。

   そんな中に、強烈な個性とアイデンティティを持ったロック・バンドがいた。他の誰とも違う、まったく何かと比べようもない。通称マキモン、正確にはマキシマム ザ ホルモン。名前の意味も分からない。歌詞やタイトルの言葉の使い方も理解不能で、どういうこと? と聞きたい衝動に駆られるが、聞く事自体ナンセンスな感じがして聞けない。

   ここで紹介するのはDVD作品だが、今一番フロントラインにいる若者の出す音として、一度は聴くことをお勧めする。そして、やはり彼らはみなければいけない。音と映像で初めてマキモンは、その姿を俯瞰できる。このDVD作品は、すべて通しでみると7時間以上かかる。これもマキモン一流の遊びな感じがする。そしてこの作品を見ていて強烈に感じたこと。それは、こいつらは御バカだということと、彼らこそこの先の"若者文化"の創造者に違いないということだった!


【Deco Vs Deco デコ対デコ 収録内容】
Deco Vs Deco~デコ対デコ~

DISC1
●ぶっ生き返すツアーFINAL(ZEPP TOKYO 2007.10.12)
●MUSIC CLIPS
   ★What's up, people?! ★恋のメガラバ ★絶望ビリー ★ぶっ生き返す!!
   ★ビキニ・スポーツ・ポンチンnew!

DISC2
●ホルモンオフショット映像&亮君の挑戦状II ~亮君の不思議なダンジョン~
DAM VS DAM~ダム対ダム~

DISC3
●ドキュメンタリー地獄絵図
●特選LIVE映像
   ★蘇生公演(STUDIO COAST 2007.10.17)
   ★恋のメガラバツアーファイナル(渋谷AX 2006.9.29)
   ★ビタミン7(ダーツツアーファイナル渋谷O-EAST 2006.6.19)

加藤普

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