2018年 7月 22日 (日)

次は何を見せてくれるのか? 不思議人「シンディ・ローパー」

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『ブリング・ヤー・トゥー・ザ・ブリンク ~究極ガール』
シンディ・ローパー/2008年5月14日発売
EICP-968  2520円
SONY MUSIC JAPAN INTERNATIONAL


   5月15日の朝、出掛け間際、TVを観ていたら突然シンディ・ローパーが画面に出てきてびっくりした。「情報プレゼンター とくダネ!」(CX系AM8:00~)の「朝ヒット」コーナーに出演していたのだ。ダルシマを弾きながら86年の大ヒット曲「True Colors」を歌った。ゆっくりしたテンポで86年当時よりも円熟した、深みのある歌声だった。歌も人も育つのだ。

   シンディ・ローパーというアーティストはよくマドンナと比較された。デビュー(77年から歌手活動はしていた)が83年のほぼ同時期だったせいもあるが、2人とも新しい女性アーティストの時代を象徴するような存在だった。なにか図抜けた存在感を持っていた。

   マドンナがコケティッシュな女女したヴィジュアルを前面に出して男心をわしづかみにしたのとは違って、シンディは古着風で野暮ったく見えるのだがオリジナリティ溢れるファッションで、女性の支持を集めた。2人の音楽性も、ファッションの対比と良く似た対比ができるものだった。いずれ劣らぬ、80年代のディーバであることは確かなのだが……。

   シンディ・ローパーという人は、どんなモノにも、どんな音楽にも、どんな生き方にも対応できるフレキシビリティをもっているように思う。それでありながら、どんなモノも、どんな音楽も、どんな人生も彼女のものにしてしまう。不思議な人だと思う。

   5月15日の彼女も、不思議さを失っていなかった。次は何をするのだろう、きっと何かするに違いないと、観ている人を良い意味で裏切りもし、期待に応えもした。

   シンディ・ローパーのニュー・アルバムは、何故かダンス・ミュージック。この意外な音も、意外なのだがしっかりとシンディ・ローパーのダンス・ミュージックになっている。稀有な女性アーティスト。イギリスのクラブシーンのフロントライナーBASEMENT JAXX 、アックスウェル(マドンナのMIXも手がける)などが参加、全曲大いにノリノリのアルバムに仕上がっている。

   女優としてもシンディは成功しているが、そのうち、もっと別のシーンに突如前触れもなく現れるような気がする。そういう女性なのだ。


【ブリング・ヤー・トゥー・ザ・ブリンク ~究極ガール  収録曲】

1.ハイ&マイティー
2.イントゥ・ザ・ナイトライフ
3.ロッキング・チェアー
4.エコー
5.ライフ
6.セイム・オールド・ストーリー
7.レイジング・ストーム
8.レイ・ミー・ダウン
9.ギヴ・イット・アップ
10.セット・ユア・ハート
*TOYOTA「マークX ジオ」TV-CMソング
11.グラブ・ア・ホールド
12.レイン・オン・ミー
13.ガット・キャンディー*
14.キャント・ブリーズ*
*日本盤ボーナストラック


◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70〜80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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