2020年 7月 10日 (金)

霞ヶ関官僚が読む本
佐藤賢了中佐「黙れ」事件の実像 「後智恵的」昭和史を解体する

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   『昭和史見たまま』(杉森久英著、1975年読売新聞社)。一言でいえば、正に書名通りの本であり、我々が教科書で学んだ昭和史が、いわば後知恵的に整理されたものであって、リアリティに欠けるものだということがよくわかる本である。

「あと十年もしたら、日本は共産主義に」という幻想

『昭和史見たまま』
『昭和史見たまま』

   13篇からなっており、それぞれ興味深いが、例えば「革命必至の幻想」という項を読むと、著者の新任教師時の同僚が「両親が将来にそなえて、月々貯金をしろというんだけどね、あと十年もしたら、日本は共産主義になるんだから、ばからしくて、貯金なんかできるものかといってるんだ」と言って笑うという話が出てくる。そして、著者自身も今に革命が来るということを信じていたし、当時の知識階級のほとんどが革命必至の信念を持っていたとする。

   また、著者の旧制高校時代の思い出として、大部分の生徒の間ではプロレタリアの勝利と資本主義の没落が自明のことと信じられていて、共産主義に疑問を抱いていた者もいたが、それを口にすると孤立し村八分にされるので沈黙せざるを得なかったということも書かれている。

【霞ヶ関官僚が読む本】 現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で、「本や資料をどう読むか」、「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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