2020年 8月 11日 (火)

霞ヶ関官僚が読む本
福島原発事故と新リスク思考法 「悪しき完全主義」どう克服

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   この3月で、「第二の敗戦」ともいうべき、東京電力福島原発事故が起きてまる2年となった。東日本大震災とそれに起因した大津波により、被災後に体調を崩した方を含め、平和裏に暮らしていた2万人を超える方々が亡くなられ、行方不明になったという痛恨事も生じたが、多くの人々が畏怖したのは、放射性物質と放射線による影響のことであった。

   霞が関では、有志が企画した連続講演会「放射線について『知って・測って・伝える』ために」が昨2012年9月以降、4回開催された。各府省庁の職員を対象にしたもので、冷静に判断・情報提供・行動するためのヒントを得ることが目的だ。筆者もそれに参加し、我々が無意識のうちに前提としていた、リスクへの考え方を大きく転換しなくてはならないのではないかと考えた。

一部マスメディアの「非理性的」報道

『「ゼロリスク社会」の罠』
『「ゼロリスク社会」の罠』

   これについて、大いに参考になるのが、『「ゼロリスク社会」の罠』(佐藤健太郎著 光文社新書 2012年9月)だ。サイエンスライターの佐藤氏は、「なぜ人は、リスクを読み違えるのか?―実のところ人間という生き物は、決してあまり合理的にはできていません。これは、人間が危険を判断する系統を2つもっているためです。先祖からの記憶や自分の経験をもとに瞬時に判断し、素早く反応するための『本能』の部分と、頭でじっくり考えてリスクを判定する『理性』の部分の2つです」(26ページ)と指摘する。

   「理性」で考えれば、一部マスメディアが科学的根拠もなく垂れ流すような、福島にいて結婚できない身体になるということもないし、今後深刻な健康被害を受けるような状況にもない。健康診断を受けるのは煩わしいが、いまの地を離れるかどうかについても冷静な判断が必要だ。

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