2024年 4月 24日 (水)

【書評ウォッチ】単純・最強ツール「鉄条網」140年の歴史 カウボーイの仕事減らす

中国ぬきの海洋国家特集

   海洋国家という言葉が、このごろよく聞かれる。関連本を日経新聞が読書面トップで特集した。『太平洋のレアアース泥が日本を救う』(加藤泰浩著、PHP新書)や『東アジア海域に漕ぎだす』(小島毅監修、全6巻、東京大学出版会)などをあげ、海底資源の開発や人・モノ・情報が行き来する場として重視する考えを獨協大学の竹田いさみさんが「日本の新たな活力を見出す道がある」と強調している。バラ色の展開に勇気百倍の内容だ。

   しかし一点、「海洋強国」とやらの言葉は他でも聞く。中国の海軍力増強や貪欲なまでの領土確保の動きだ。そこを特集は論じようとしない。「海洋」とは東シナ海以外のことだとでもいうのか。中国の進出問題をぬきにして海洋国家論を語るのは、何か遠慮でもあるのだろうか。抽象論やきれいごとだけですめば苦労はない。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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