2020年 7月 4日 (土)

霞ヶ関官僚が読む本
カント、サルトル、バロン・サツマ… その臨終にみる人間の「喜劇」と「悲劇」

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   『人間臨終図鑑』(全3巻 徳間書店)。鬼才山田風太郎が、東西の900人以上の著名人の臨終の場面を、死亡時の年齢順に、風太郎独特の淡々としつつも少しばかり皮肉で諧謔的な味のある筆致でまとめたもの。

   山田風太郎は、ご案内のように、伝奇小説の大作家であり、筆者も明治期を舞台にした「明治物」と呼ばれる一連の作品のファンであるが、彼一流の人物眼というか歴史観というか物事をさらりと見定める魅力は、ノンフィクションである本書においてより遺憾なく発揮されている。

風太郎自身による秀逸な警句

『人間臨終図鑑』
『人間臨終図鑑』

   本書第一巻には十五歳から五十五歳で死んだ人、第二巻には五十六歳から七十二歳で死んだ人、そして第三巻には七十三歳から百二十一歳で死んだ人の臨終がまとめられている。総じていえば、若くして死んだ人の臨終は、八百屋お七にしてもアンネ・フランクも村山槐多も雲井竜雄も、その人生の悲劇性の故かドラマティックである。他方、高齢で死んだ人の臨終には、大往生や眠るような静かな終焉もあるが、蕭条たる晩年の果ての死もあれば、老耄や老醜をさらし惨憺たる無残なものもある。因みに筆者個人は、第三巻が一番気に入っている。

   死亡年齢ごとに章立てされていて、各章の冒頭に短い警句がある。名著や著名人の箴言の引用もあるのだが、多くは風太郎自身による警句であり、これがまた秀逸である。

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