2019年 10月 17日 (木)

霞ヶ関官僚が読む本
高杉良、東野圭吾、そして池井戸潤 熱くて深い「筆圧」の魅力とは

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   給与が右肩下がりで財布の紐が厳しくなり、また街を歩けば中古本市場が相当充実している中にあって、私は少しばかりかの贅沢気分で(なけなしのお小遣いを投入して)、新作が出された時必ず購入する著者が3名いる。

   高杉良、東野圭吾、そして池井戸潤である。いずれも著名人であり説明は不要であろう。その筆圧は限りなく熱く、そして果てしなく深い、と個人的には思っている。

取材力に感銘、「裏切られた推理」の快感

『下町ロケット』
『下町ロケット』

   高杉良氏は、言わずと知れた経済小説をベースにしており、実在者をモデルにすることが多いため、筆者の多少の正義感・理念(?)のバイアスを捨象すれば、その当時の社会背景も含め大変勉強になる。『金融腐食列島』は言うに及ばず、ワタミを築き上げた渡邉美樹・参議院議員を実名で取り挙げた『青年社長』、オリックスの宮内義彦氏をモデルにした『虚像』など、特に政官をモデルにすることも多く、その取材力には感銘を覚える。

   東野圭吾氏も、大変興味深く、面白さは筆舌しがたいほどである。1日で10時間通しで読みふけったこともある。最初に読んだ『容疑者Xの献身』では衝撃を受けた。その後も、全ての新作を読んでいるが、『パラドックス13』、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』など、時間・空間を超越したそのストーリーは、最後の1ページまで結果が見えない。ゆえに、読み耽ってしまうのだろう。何度も自分の推理を裏切られた。それもまた快感である。

【霞ヶ関官僚が読む本】 現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で、「本や資料をどう読むか」、「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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