【BOOKウオッチ】
七夕に読みたい 日本人と宇宙の歴史
2014.07.07 14:43
0
文学も科学も空から舞い降りてきた
『日本人と宇宙』
日本人にとって、夜空の主役は長い間「月」が独占してきた。その証に、有名な和歌は月を詠んだものばかり。「星」はほとんど登場しない。ところが、中国からやって来たロマンチックな七夕物語のおかげで、「天の川」という言葉は例外的に多く登場するそうだ。朝日新聞出版の『日本人と宇宙』(著・二間瀬敏史、821円)は、古代の太陽信仰から小惑星探査機「はやぶさ」に至る科学の歴史、文学や風習まで、日本人を軸に宇宙を語ったユニークな1冊だ。著者は、一般相対論や宇宙論の論理的研究が専門で、「ダークサイド」に挑む最先端の研究などにも触れている。ちなみに、七夕が近づくと、短冊に願いを書いて託すのは日本独特の習慣で、本家・中国の現在はというと、恋人たちが旧暦の7月7日をバレンタインデーのように過ごしている。