2019年 5月 25日 (土)

【次の百年に踏み出した宝塚歌劇(3)】海外進出より...何度も見たいファンは望む リピート観劇しやすい"インフラ整備"

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   2014年の宝塚は、1年を通じてチケットを入手しにくい状況が続いた。百周年の記念の年とあって演目も充実していたし、蘭寿(らんじゅ)とむ、壮一帆(そう・かずほ)という2人のトップスターの退団公演もあった。歌舞伎では襲名興行がドル箱なのに対し「宝塚は退団興行で稼ぐ」といわれるくらい、トップスターの退団公演は集客力がある。

   座席の希望がしばしばままならないということまで含めれば、宝塚のチケットが取りにくいのは14年ばかりでなない。その原因のひとつはリピート観劇が多いことだろう。リピートといっても2回とか3回とかではない。10回、20回と同じ公演に足を運ぶ人も珍しくない宝塚的リピートだ。「経済的、時間的に許されるなら何回でもみたい。理想? 気に入ったものなら全公演(笑)」―。これが大半のファンの偽らざる気持ちだという。なぜ? まさに宝塚的理由があるのだ。

  • 2014年11月、柚希礼音の武道館ライブで屋外に設けられたグッズ売り場に並ぶファンら
    2014年11月、柚希礼音の武道館ライブで屋外に設けられたグッズ売り場に並ぶファンら

次代を楽しむための"青田買い"

   宝塚の舞台は「情報量」が多い。一組70人から80人での公演となるが、トップ、2番手、3番手、あるいはトップ娘役(宝塚では女役とはいわない。また「トップスター」と呼ばれるのは男役のみ)あたりに視線が行くのは当然として、ファンたちは明日のスターを見つけようと下級生たちにも目を配る。「あの端っこの方で踊ってる子が上手」「後ろの方でセリフのない子が面白い小芝居してる」といったように...。

   真ん中でセリフを言っているスターを見ずに、舞台の端の方をオペラグラスでぐぐっとアップにすることも多いわけで、どうしても観劇回数がほしくなる。下級生が成長していく姿を見守る、これは宝塚ファンの醍醐味といっていいい。身内のような感覚で舞台を見守るファンと生徒の関係性は独特だ。

   もうひとつは「期間が限られている」ということだ。生徒たちが宝塚の舞台で花を咲かせる時間は短い。トップスターといわれる人も数年で去っていく。退団後、芸能界に進んでも、男役はもう見られないし、演じたとしてもそれは宝塚の男役とは似て非なるものだ。限られた時間は濃密になりやすい。今見ておかなければという思いがファンの背中を押すのである。

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