まもなく母の日 素直に感謝の言葉が言える人、言えない人
2015.04.27 12:30
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母の病と私の人生
仲がよかろうと悪かろうと、母にはいつも元気に明るく笑っていてほしい。だが、病は突然やってくる。『わが家の母はビョーキです』(著・中村ユキ、1296円、サンマーク出版)は、著者が4歳のときに「統合失調症」を患った母との30年以上にわたる日々をまとめたコミックエッセイだ。心の病といえば「うつ」が有名だが、統合失調症も100人に1人の割合で発症している。本書は、どんな病気なのか大勢の人に知ってほしい、と書かれた作品だ。
娘は、病気を理解できないまま10年を過ごし、誰にも相談できないまま20年が経ち、気が付けば恋もしていなかった。明るいタッチで描かれているが、幼い女の子が母の奇行に振り回される姿には、胸が押しつぶされそうになる。著者は、後に夫となる男性と出会い、事態が一変。家庭に第三者が入ることで、心が軽くなり、幸せを感じながら暮らせるようになったという。