ヤマザキ・ナビスコが消える―2016年2月12日、こんなニュースが駆け巡った。同社はクラッカーの「リッツ」や「プレミアム」、そしてクッキー「オレオ」などで知られていたが、「ライセンス契約終了」にともない、その3ブランドなどの製造・販売を終了することになった。「リッツとオレオが食べられなくなる!?」ネット上を中心に悲しみの声が上がったが、早とちりだということも素早く拡散され、安堵の声が広がりつつある。一方で、「チップスアホイ」というちょっとマイナーなお菓子については、今後が不透明なままだ。「チップスター」「ラングドシャ」は変わらずヤマザキ・ナビスコは16年2月12日、「ライセンス契約終了に伴う商号変更等のお知らせ」を発表した。同社は1970年、米ナビスコ社(現モンデリーズ・インターナショナル・インク)とライセンス契約を締結し、「リッツ」、「オレオ」、「プレミアム」などを製造、日本で販売してきたが、16年8月31日の契約満了日をもってライセンス契約を終了することに。9月1日から商号を「ヤマザキビスケット株式会社」に変更し、「チップスター」「エアリアル」「エントリー」「ピコラ」「ラングドシャ」「スリムサンド」などの既存製品に加え、新製品も順次発売していくという。そして「リッツ」「プレミアム」「オレオ」、チョコチップクッキーの「チップスアホイ」は、8月31日をもって製造を終了し、在庫を売り切ったのち販売終了となる。「チップスアホイ」の名前はなく...ヤマザキ・ナビスコの発表と同じ日に、モンデリーズ・ジャパンが「2016年9月から『オレオ』、『リッツ』、『プレミアム』の国内販売開始」することを発表した。この「モンデリーズ・ジャパン」、ヤマザキ・ナビスコの発表にあった「モンデリーズ・インターナショナル・インク」の日本法人だ。「オレオ」も「リッツ」も「プレミアム」も、元はモンデリーズ・インターナショナル・インク(米ナビスコ)が海外で展開しているブランド。ヤマザキ・ナビスコとのライセンス契約終了で、大元の企業が日本での販売も引き受けることになった、ということだ。ちなみにモンデリーズ・ジャパンは、現在は「クロレッツ」「リカルデント」「ストライド」「キシリクリスタル」「ホールズ」などのガム・キャンディ製品の製造・販売を行っている。これで3ブランドのファンはホッと胸をなで下ろしたろうが、発表には「チップスアホイ」の処遇が記載されておらず、気になるところだ。チップスアホイファンよ、悲しむのはまだ早い「チップスアホイ」は、ちょっとビターなチョコレートチップをたっぷり(23%含有)使った、シンプルなチョコチップクッキー。1971年2月、ヤマザキ・ナビスコ最初の商品として、リッツなどとともに販売を開始した、実は歴史あるお菓子なのだ。名前のインパクトで記憶に残っている人も多いだろうが、最近は店頭で見かけることはあまりなく、そもそも「知らない」という人も少なくないようだ。3ブランドの継続だけが報道されているため、ツイッターでは「チップスアホイが販売終了すると聞いて号泣してる」「チップスアホイだけ!まじで生産終了なの?!チップスアホイだけ?!ひでー!」など、「チップスアホイが消えてしまう」という嘆きの声が上がっている。そんなチップスアホイの今後について、モンデリーズ・ジャパンに問い合わせたところ、「検討中」とのこと。今回の発表の時点で9月からの販売が確定していたのが3ブランドだったということで、まだチップスアホイの名前があがらなかったわけだ。販売終了が決まったわけではないそうで、ひとまずは安心だ。なお、本国アメリカでは変わらず販売されるとのことで、もし日本で販売終了した場合はそちらから手に入れるのもアリかも。
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