2019年 12月 11日 (水)

「ふつう」の日本企業が世界競争に勝てる会社になった理由

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リーダーシップ――常にハンズオン、混沌をシンプルなストーリーに還元し、熱く語る

   著者自身が社長という立場であることから、本書の視点は、経営者目線であり、その内容もついついリーダーシップ論となるが、やはり30代の若い頃から会社経営者の立場を経験してきたこともあって、興味深い指摘が多い。

「何か異常を感じたとしても、それが本当に問題なのか、ただの思い過ごしなのかは咄嗟にはわからない。何かを感じたら、現場に足を踏み入れる。ハンズオンで現物に触れる。問題の本質が何かを確かめる。周囲の部外者にも意見を聞く。問題がないとわかったら、サッと引き上げる。タッチ・アンド・ゴーで元に戻るのだ。優れた経営者の仕事は毎日、その動作の繰り返しである」

   「人は、もつれた糸のような混沌を《自分たちの手に負える大きさ》にまで分解しない限り、中身を理解することはでき」ず、優れたリーダーは、この混沌を徹底的に考え抜き、因果律に分解し、その中でも問題の根源となったものをわかりやすく抽出し、次のセリフを言う。

「この問題って、要するに、こういうことじゃないの」

   著者は、この「謎解き」を皆の機先を制して、正確に、そして毎分、毎時、毎日、毎月、毎年、きちんとやっている人を強いリーダーだとする。まだ見えていないことが多い段階で「決定」というより「決断」を下すのだという。

   混沌とした状況を誰も見えていないうちから「シンプルなストーリー」に要約し、何をすべきか(戦略、シナリオ、対策)を「熱く」語る、それがリーダーの仕事だというのだ。

「危機感を持ち、クールに問題に切り込もうとするトップは、現場から怖がられることはあっても、好かれることはほとんどない。それがトップの宿命だ」
「トップが自ら《ハンズオン》(現場主義)の経営スタイルをとらない限り、会社を改革したり、組織の危機感を高めたりすることはできない。トップが温かい人気者であり続けることなどないのである」

   いやはやリーダーは大変である。

【霞ヶ関官僚が読む本】現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で「本や資料をどう読むか」「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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