ここ数年、妊婦のお腹を記念に撮影する「マタニティフォト」が、定着の兆しを見せている。中には、生まれてくる子へのメッセージをペイントしたり、色鮮やかな絵を描いたりする「ベリーペイント」を施す人も。タレントの加護亜依さんや、川崎希さん、近藤千尋さんなどがブログで発信し、大きな反響が出た。また、一般ユーザーがSNSに投稿することも多い。しかし、そうした風潮を快く思っていない人もいるようだ。大手企業も熱視線女性に人気のSNS「インスタグラム」で、「#マタニティフォト」と検索すると、20万件以上の投稿があった(2017年11月17日時点)。見ると、撮影スタジオのような場所で夫婦そろってのマタニティフォトや、花冠やドレスを身にまとってのベリーペイントなど、いわゆる「インスタ映え」するようなオシャレな写真が多い。この流行りを商機ととらえ、子ども向け写真館「スタジオアリス」や、ベネッセが運営する「たまひよの写真スタジオ」など大手企業も参入。衣装の貸し出しや撮影サービスを展開する。一方で、マタニティフォト(ベリーペイント)を目にする第三者の中には、不愉快に感じる人もいるようだ。世の中みんなが幸福感を感じるわけではない女性向け掲示板「ガールズトーク」で2017年11月17日、「インスタにマタニティフォト載せないでほしい」と訴えるトピックスが立ちあがった。マタニティフォトはあくまで自己満足的な側面が大きいにもかかわらず、人目に触れる空間で披露するのはおかしいとして、いら立ちを表明。見たくないのに、投稿が流れてきて見ざるを得ないと訴える。さらに、「お腹全然神秘的じゃないよ」「フォルムが無理」と苦言を呈している。コメント欄には、「家族だけで楽しんで欲しいですよね」「世の中の人間みんながみんな妊婦さんや赤ちゃんに癒しを感じたり幸福感を持つわけじゃないんよね」などと投稿主に共感する声が大多数。「いつか後悔する日が来ないかな」と心配する声も。さらに、妊婦の間で同じく流行の兆しを見せている「授乳フォト」もやめてほしいと懇願する意見もあった。
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