2018年 5月 28日 (月)

いまの日本の組織経営に欠けている点 「デザインの視点」で見つめる

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■「デザイン思考が世界を変える イノベーションを導く新しい考え方」(ティム・ブラウン著、ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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   職場の打合せの場で「米国ではMBAはもう古いと言われているんですよ。MFAの時代。デザインスクールですよ」と後輩に教えてもらったのは2011年。その10年前に、IDEO社の創設者David Kerryがスタンフォード大学にデザインスクールを創設していた。規模の利益と計画性、効率性を追求する米大企業の経営が行き詰まり、VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity and Ambiguity)の時代に対応する経営、イノベーションを生み出す組織作りがすでに始まっていた。

   著者Tim Brownは、シリコンバレーのデザイン・ファーム、IDEO社のCEO。デザイン思考をわかりやすく解説するとともに、イノベーションを生みやすい組織風土づくりにも触れている。

デザイン思考はアイデア出しと参加者の投票

   IDEOが開発したデザイン思考は、着想、発案、実現の三段階が重なり合い反復しながら成長する。マクドナルドの例で言えば、製品や店舗デザインをスケッチしたり模型で作ったりするのが着想。シカゴ本社のプロトタイプ制作施設で実地に検討するのが発案。そして、いくつかの店舗で試験的に販売するのが実現である。

   この三段階には、アイデア出し(発散段階)と参加者の投票(収束段階)があり、マーケティング段階、店舗での購入時点、購入後の体験の全体で、できばえを総合的に検討する。製品・サービスにとどまらず、公教育、途上国の医療・健康保険など社会基盤となる公的分野に及んでいる。

【霞ヶ関官僚が読む本】現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で「本や資料をどう読むか」「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。
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