2024年 4月 26日 (金)

階段を下りる勇気 鈴木おさむさんが「よゐこ濱口」さんにエール

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収まりのいい居場所

   誰しも若いころ、一度は「上」にのぼりたい、のぼったらさらに上を目指したいと思うだろう。「上」とはどこか分からないまま、別の景色を見てみたいと、ひたすら「下ではないどこか」に向けてもがく。

   ところが、働き盛りになると疲れてくる。今の地位を守るだけでもしんどいのに、もういいじゃないかと。せいぜい人事で泣き笑いがある程度のサラリーマンはまだいい。自営業はあきらめたところで終わってしまう。

   究極の個人営業である芸能人の場合、視聴率、集客数、レギュラー本数、好感度といった数字でギャラや「上下関係」が日々入れ替わる。だからおのずと振幅の大きい人生になる。それに耐えられる人だけが生き残る世界である。

   ひとつ上を無理して狙い、階段を転げ落ちる人はいるが、自ら階段を一つ二つ降りられる人は、鈴木さんが言うようにそんなにいないのかもしれない。

   それは、収まりの良い「居場所」を探すことでもある。人生の半ばまでに、居心地のいい場所を見つけられた人は幸せだと思う。よゐこも悪い子も。

冨永 格

冨永格(とみなが・ただし)
コラムニスト。1956年、静岡生まれ。朝日新聞で経済部デスク、ブリュッセル支局長、パリ支局長などを歴任、2007年から6年間「天声人語」を担当した。欧州駐在の特別編集委員を経て退職。朝日カルチャーセンター「文章教室」の監修講師を務める。趣味は料理と街歩き、スポーツカーの運転。6速MTのやんちゃロータス乗り。

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