2019年 9月 21日 (土)

森山直太朗、新作「822」
何があったのだろう?

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「歌うから幸せになるのよ」

   DVD「絶体、大丈夫~15thアニバーサリーツアーとドラマ」には、約60分のドラマ映像がついていた。

   40代最初のツアーでもあり全47本に及ぶロングツアーのプレッシャーに耐えられなくなった直太朗がライブ会場から失踪してしまうという設定。彼が向かったのがすでに他界している母・森山良子の墓。憔悴した直太朗の前に姿を現した彼女はこう言って彼を励ます。本人出演である。

   「人は幸せだから歌うんじゃなくて歌うから幸せになるのよ。歌って直太朗、絶対、大丈夫」。

   脚本はもちろん、高校時代からの友人であり彼の曲の言葉を書いている詩人、劇作家の御徒町凧。直太朗が音楽よりもサッカーを志していて、母親のような音楽の道を拒否していた時代があったことを知っている彼だからこそかけた台詞だろう。

   そして、何とアルバム「822」では初めて森山良子がコーラスに参加していた。曲も「時代は変わる」。言うまでもなくディランの名曲のタイトルと重なり合う。

   「曲は前からあったんですけど、なぜかスルーされてきて(笑)。今なら歌えるという判断がスタッフにもあったんでしょう。母に関しては、最後まで他の人を探しましたけど、見つからなくって。こういうカントリー&ウエスタン調の曲をずっと歌ってきた人が一番身近にいた(笑)。二つ返事でした。あの台詞は死に際に言うような言葉ですよね(笑)」

   森山良子がコーラスで加わった「時代は変わる」には高田渡の息子、高田漣も参加。森山直太朗は高田渡のゆかりの地、吉祥寺の路上で歌っていたこともある。アルバムの中の「出世しちゃったみたいだね」には高田渡と同時代のフォークシンガー、友部正人も参加している。

   一枚のアルバムが伝えてゆく時代性。世代を超えたミュージシャンの顔ぶれにもそんな意図が見えるのではないだろうか。

タケ×モリ プロフィール

タケは田家秀樹(たけ・ひでき)。音楽評論家、ノンフィクション作家。「ステージを観てないアーティストの評論はしない」を原則とし、40年以上、J-POPシーンを取材し続けている。69年、タウン誌のはしり「新宿プレイマップ」(新都心新宿PR委員会)創刊に参画。「セイ!ヤング」(文化放送)などの音楽番組、若者番組の放送作家、若者雑誌編集長を経て現職。著書に「読むJ-POP・1945~2004」(朝日文庫)などアーテイスト関連、音楽史など多数。「FM NACK5」「FM COCOLO」「TOKYO FM」などで音楽番組パーソナリテイ。放送作家としては「イムジン河2001」(NACK5)で民間放送連盟賞最優秀賞受賞、受賞作多数。ホームページは、http://takehideki.jimdo.com
モリは友人で同じくJ-POPに詳しい。

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