2019年 9月 19日 (木)

森山直太朗、新作「822」
何があったのだろう?

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「さくら(独唱)」後、「桜ソング」が定番テーマに

   彼が「さくら(独唱)」を発売したのは2003年。平成15年だった。その後に訪れる「桜ソング」の先駆けとなったことは記憶に新しい。

   「桜ソング」がJ-POPシーンの定番テーマになったのは、彼の「さくら(独唱)」以降だったことに気づいている人がどのくらいいるだろうか。特に70年代から80年代にかけてはまず思い浮かばないだろう。

   なぜなら、その頃まではまだ戦争の記憶があったからだ。「桜」という言葉で連想されるのは「同期の桜」に代表される「軍歌」であり「桜」は二の足を踏んでしまうテーマだった。「さくら(独唱)」は、「桜」を日本の四季を象徴するテーマとして戦争から解放した。

   「さくら(独唱)」だけでなく、森山直太朗の歌の言葉は御徒町凧が手掛けている。歌の言葉として書かれた「歌詞」ではない純粋詩にメロディーをつけて歌うということが森山直太朗の他のシンガーソングライターと違う点だろう。アルバムにも「人間の森」「糧」「罪の味」など、一般的なポップスとは違うテイストのタイトルが並んでいる「822」は、そんな作風の中で傑出したアルバムとなった。タイトルは発売日が8月22日と言うのがヒントだったという。読み方は「パニーニ」である。

   「あまりに色んなエネルギーがあって言葉ひとつには集約できないんで、最も意味のなさそうなものがいいんじゃないか。御徒町が提案した時にはみんな失笑だったんですけど。いい記号として立ち上がった感じでした」

   デビュー15周年は単に年月の区切りではなくなった。「822」は、大きな転機となるアルバムになったと思う。

   10月から来年の6月まで50本以上が組まれている全国ツアー「人間の森」が、その仕上げとなるに違いない。

(タケ)

タケ×モリ プロフィール

タケは田家秀樹(たけ・ひでき)。音楽評論家、ノンフィクション作家。「ステージを観てないアーティストの評論はしない」を原則とし、40年以上、J-POPシーンを取材し続けている。69年、タウン誌のはしり「新宿プレイマップ」(新都心新宿PR委員会)創刊に参画。「セイ!ヤング」(文化放送)などの音楽番組、若者番組の放送作家、若者雑誌編集長を経て現職。著書に「読むJ-POP・1945~2004」(朝日文庫)などアーテイスト関連、音楽史など多数。「FM NACK5」「FM COCOLO」「TOKYO FM」などで音楽番組パーソナリテイ。放送作家としては「イムジン河2001」(NACK5)で民間放送連盟賞最優秀賞受賞、受賞作多数。ホームページは、http://takehideki.jimdo.com
モリは友人で同じくJ-POPに詳しい。

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