2019年 9月 19日 (木)

【センバツ】最後まで隙の無かった東邦が平成の最初と最後を優勝で飾る

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決勝 東邦VS習志野

   東邦の先発、石川昂弥(3年)が97球・完封で習志野打線を封じた。元々、横変化のスライダーを投げるとき腕が横手から出るが、この日はストレートのときも腕が下がり、サイドスローのようになっていた。疲れが相当溜まっていたようだが、ピッチングのリズムがこの日は抜群だった。

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   キャッチャーの返球を受けてから投げるモーションを起こすまでの間隔はおおよそ5~6秒。この早い間合いに習志野打線は翻弄されていたように見えた。また、投球モーションを起こしてから投げたボールがキャッチャーミットに収まるまでの投球タイムは1.14~2.02秒。1.14秒はクイックモーションのときのタイムで、これを無走者のときにする。速かったり遅かったり様々なピッチングフォームにも習志野打線は戸惑ったことだろう。ひょっとしたら早いピッチングフォームも早い間合いも意識していなかったかもしれない。それくらい石川の術中にはまっていた。

   先制したのは東邦だ。1回裏、1死一塁で打席に立った石川は5球目まで一回もバットを振らず、球筋を見極めていた。6球目をファール、そして7球目の変化球を捉えてバックスクリーン右横に放り込んだ。準決勝の明豊戦でストレートを痛打されたので習志野の先発、山内は初回から変化球を主体に攻めたが、ストレートに速さがないので石川は変化球だけに的が絞れたのだろう。さらに攻撃は続き、2死後に5番長屋陸渡(3年)がセンター前、6番吉納翼(2年)が108キロのカーブをライト線に運び(二塁打)1点を加え、完全に東邦が主導権を握った。

   習志野は準決勝の明豊戦も1回裏に3点を先制されながら逆転しているのでこういう試合展開は慣れているはずだが、東邦はスキがなかった。とくによかったのが内野陣の守備。1回表は無死一塁でバントを処理した石川が落ち着いて1-6-3の併殺に取り、4回の無死一塁では2番打者のレフトフライで飛び出した一塁走者が還れず、8回の1死一塁では7番打者のゴロを石川が落ち着いて捕球、1-6-3を完成。この3つの併殺がこの試合を象徴していた。

   石川の投球の基本は外角へのストレートとスライダーの組み合わせだが、時折ストレートが内角に飛び込んできて打者の踏み込みを許さない。1回戦の富岡西、2回戦の広陵、準々決勝の筑陽学園、準決勝の明石商、そしてこの決勝戦でも死球を与えているが、優勝投手の5試合連続与死球は相当珍しい記録ではないか。

   石川は5回にも2ランホームランを放っている。相手は速球派の飯塚脩人(3年)で、捉えたのは初球のスライダー。打球方向は右中間でも、「逆方向に引っ張る」と形容される力強い打球で、この一打で私は東邦の勝ちを確信した。

   ちなみに投手・石川が死球を与えた相手は習志野戦が4番櫻井亨佑、明石商戦が1番来田、筑陽学園戦が5番野田である。野田は1回戦の福知山成美戦で3安打し、来田は智弁和歌山戦で2本のホームランを放ち、櫻井は明豊戦でホームランを放っている。怖い打者には逃げずに厳しく内角を攻める、このへんに石川の投手としての才能が現れているように思う。

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