2019年 8月 23日 (金)

高齢者の運転事故を未然に防ぐには DeNA がAIで「潜在リスク要因」検出するサービス

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   ディー・エヌ・エー(DeNA)は2019年6月4日、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)を活用した交通事故削減支援サービス「DRIVE CHART」を発表した。東京都内で開いた記者発表会では、AIによる画像認識の様子をデモンストレーションした。

   まずは商用車に向けて、提供を開始する。

  • DeNAオートモーティブ事業本部長の中島宏氏
    DeNAオートモーティブ事業本部長の中島宏氏
  • 内向きカメラ(ドライバーモニタリング)
    内向きカメラ(ドライバーモニタリング)
  • 外向きカメラ(環境モニタリング)
    外向きカメラ(環境モニタリング)

実証実験でタクシーの事故率25%減、トラックは48%減った

   「DRIVE CHART」は、DeNA とJVCケンウッドが専用車載器を共同で開発。そこに内蔵された加速度センサーやGPS(全地球測位システム)で車両の挙動を把握するだけでなく、車内外に向けられたカメラで撮影された映像をAIで即座に解析し、ドライバーの運転行動や潜在的なリスク要因を検出する。

   AIの膨大な計算を処理するために、極めて高性能なコンピューターチップを使用している。

   外向きカメラでは、走行中に他の車両や人、走行レーンをAIで解析し、交通環境や走行状況に潜む危険をあぶりだす。一方、内向きカメラはドライバーの目や鼻、口といった顔の部位や顔の向きをリアルタイムに検出する。例えば車内でスマートフォンを操作している際に顔や視線がどこを向いているか、まぶたの動きはどうか、といった特徴が分かる。メガネやマスクを着けていても問題ない。

   これらにより、既存のドライブレコーダーでは判別が難しい潜在的リスク要因が分かる。例えば車間距離の不足、住宅地やスクールゾーンでの速度超過、信号のない交差点での一時停止し忘れ、わき見運転、さらに運転中の居眠りも分かるという。

   DeNAオートモーティブ事業本部長の中島宏氏によると、「DRIVE CHART」開発にあたって同社は、運転中の潜在的なリスク要因をAIで徹底抽出し、ドライバーの習慣的な危険運転シーンを拾い上げ、ドライバーごとに映像を用いたコーチングを実施したと説明した。

   2018年4月~10月にタクシー100台、トラック500台で実証実験を行ったところ、過去5年の同時期平均比で、事故率はタクシーが25%減、トラックは48%減と結果を残した。

ドライバーは危険運転を動画で確認できる

   専用車載器での画像解析結果やGPS、加速度センサーのデータは、すべてクラウドに送信される。クラウドにはデータ解析用AIがあり、ドライバーの運転のプロファイリングを行う。説明に当たったDeNAスマートドライビング部長の川上裕幸氏によると、車載器は目、クラウドは脳にあたる役割を果たすとのこと。クラウドでは各種データを詳細に解析したうえ、個々のドライバーが犯しやすいリスク運転を自動的にピックアップ。編集して「運転行動リポート」にまとめる。

   これによりドライバーはスマートフォンで、危険運転をした地点やその動画を日々確認できる。またタクシーなどの事業者は、リポートを活用して研修の頻度を増やし、かつ乗務員に自身の運転行動を映像で確認してもらうことで、より中身の濃い振り返りにつなげられる。

   近年、交通死亡事故の発生件数は年々減少している半面、「事故発生率」(自動車1億走行キロあたりの交通事故発生件数)は横ばいだ。また高齢者による重大事故が、最近は目立つ。すでに起きてしまった事故や、いわゆる「ヒヤリ、ハッと」ではなく、危険運転行動や潜在リスクといった要因にアプローチできる事故削減支援サービスでないと、こうした事故を未然に防ぐことは不可能だと中島氏は話した。

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