2024年 3月 29日 (金)

東京めざさない福岡の劇団   
  日韓合作舞台の大評判

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   「いつまでも目の敵(かたき)にしてんじゃねえよ。やっぱクソだよな、韓国人は!」

   「侮辱(ぶじょく)してるんですよね」

   「やめて!」

   日本人と韓国人がお互いを罵(ののし)り、怒声が飛び交う舞台。そして激しい言葉の応酬が続く。

   福岡と釜山、日韓の演劇人による「HANARO project」の公演『ナ チャレッチ?』(韓国語で「私、よくやったでしょ?」)の一場面だ。

   釜山公演は2018年10月17日から19日まで海雲台(ヘウンデ)文化会館で。福岡公演は2018年11月1日から4日まで博多にある小劇場「ぽんプラザホール」で行われた。

  • 韓国人が大嫌いな会社員(黒い服)が、韓国人の悪口をいう場面、その理由を聞く日本人の友人たち(写真 HANARO project)
    韓国人が大嫌いな会社員(黒い服)が、韓国人の悪口をいう場面、その理由を聞く日本人の友人たち(写真 HANARO project)
  • 「福岡・釜山交流ひろば」を立ち上げた日下部信。公演『ナ チャレッチ?』の観客の反応に、確かな手ごたえを感じた(写真 菊地健志)
    「福岡・釜山交流ひろば」を立ち上げた日下部信。公演『ナ チャレッチ?』の観客の反応に、確かな手ごたえを感じた(写真 菊地健志)
  • 緊迫する幕間(まくあい)に福岡と釜山の食べ物を紹介するコーナーがある。似ている料理があると、観客席が和(なご)んだ(写真 HANARO project)
    緊迫する幕間(まくあい)に福岡と釜山の食べ物を紹介するコーナーがある。似ている料理があると、観客席が和(なご)んだ(写真 HANARO project)
  • 本業は、九州大谷短期大学表現学科教授。「戯曲論」「演劇論」「作家作品研究」などの科目を担当している(写真 菊地健志)
    本業は、九州大谷短期大学表現学科教授。「戯曲論」「演劇論」「作家作品研究」などの科目を担当している(写真 菊地健志)
  • 『ナ チャレッチ?』に出演した俳優たち。日本人4名、韓国人4名。3週間の合同稽古で、作品を練り上げた(写真 HANARO project)
    『ナ チャレッチ?』に出演した俳優たち。日本人4名、韓国人4名。3週間の合同稽古で、作品を練り上げた(写真 HANARO project)
  • 韓国人が大嫌いな会社員(黒い服)が、韓国人の悪口をいう場面、その理由を聞く日本人の友人たち(写真 HANARO project)
  • 「福岡・釜山交流ひろば」を立ち上げた日下部信。公演『ナ チャレッチ?』の観客の反応に、確かな手ごたえを感じた(写真 菊地健志)
  • 緊迫する幕間(まくあい)に福岡と釜山の食べ物を紹介するコーナーがある。似ている料理があると、観客席が和(なご)んだ(写真 HANARO project)
  • 本業は、九州大谷短期大学表現学科教授。「戯曲論」「演劇論」「作家作品研究」などの科目を担当している(写真 菊地健志)
  • 『ナ チャレッチ?』に出演した俳優たち。日本人4名、韓国人4名。3週間の合同稽古で、作品を練り上げた(写真 HANARO project)

素直に理解しあえるヒント

   韓国人の夫ドンヒョンと日本人の妻シオリは、二人の夢だったカフェを釜山でオープンする。その前日、シオリを女子高時代に苛(いじ)めていた旧友のミサキが現れる。

   夫は、妻を苛めていたミサキに謝罪を求める。ミサキは謝罪の言葉を口にする。しかし、誠意のない謝り方に夫が怒りをあらわにする。

   一見こじれた人間関係がぶつかりあうドラマだ。しかし、随所に対立する日韓の歴史問題を想像させるセリフがあり、現在の両国の関係が浮かび上る構成になっている。日本人と韓国人がどうしたら素直に理解し合えるのか、そんなヒントも示唆されている。

   福岡公演の『ナ チャレッチ?』では、舞台上のモニターに韓国語のセリフの日本語字幕が表示され、韓国語を知らない人にも伝わるように工夫されていた。

   プロジェクトを企画したのは「福岡・釜山交流ひろば」代表の九州大谷短期大学表現学科の日下部信(くさかべ・しん)教授(46 )だ。公演に先立ち、公益財団法人韓昌祐・哲(ハンチャンウ・テツ)文化財団から助成を受けた。

   公演が福岡と釜山両方の劇場にまたがるため、助成金は演出、脚本の費用や、日韓両国の俳優、演出家、スタッフの移動経費、制作費などに用いられた。

   プロジェクトは2014年に始まり、2018年で5回目。最初は、日韓の劇団が相手国の戯曲を演じることから始まった。2年目と3年目は同一戯曲をそれぞれの母国語で創作し、福岡と釜山で公演した。

   2017年は、第一幕を釜山チーム、第二幕を福岡チームが創作し、第三幕は釜山での合同稽古で作り上げた。

   そして2018年は初の合同制作として、脚本を日本側(幸田真洋)が手がけ、韓国側が演出(パク・ジョンウ)を担当した。

   福岡の俳優4人が釜山に渡り、3週間におよぶ日韓合同稽古を行った。回を重ねるごとに新しい創作手法を試み、日韓の演劇交流の実績を積み上げてきたのだ。

公益財団法人韓昌祐・哲文化財団のプロフィール

1990年、日本と韓国の将来を見据え、日韓の友好関係を促進する目的で(株)マルハン代表取締役会長の韓昌祐(ハンチャンウ)氏が前身の(財)韓国文化研究振興財団を設立、理事長に就任した。その後、助成対象分野を広げるために2005年に(財)韓哲(ハンテツ)文化財団に名称を変更。2012年、内閣府から公益財団法人の認定をうけ、公益財団法人韓昌祐・哲(ハンチャンウ・テツ)文化財団に移行した。

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