2024年 4月 20日 (土)

台所用洗剤が新型コロナ消毒に有効か 不足するアルコール消毒液の代替へ期待

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   台所用洗剤が、新型コロナウイルスの消毒に有効な可能性がある――。

   経済産業省は2020年4月15日、アルコール消毒液の代わりに、台所用洗剤の成分である界面活性剤などを用いた消毒方法の新型コロナウイルスに対する有効性評価を、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)に要請、実施すると発表した。

  • アルコール消毒液不足のなか、台所用洗剤が「救世主」となるか(画像はイメージ)
    アルコール消毒液不足のなか、台所用洗剤が「救世主」となるか(画像はイメージ)
  • アルコール消毒液不足のなか、台所用洗剤が「救世主」となるか(画像はイメージ)

台所用洗剤「供給力あり、優先的に検証を」

   NITEは「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価に関する検討委員会」(以下、検討委員会)を設置。NITEの発表資料によると、4月15日に開かれた検討委員会は文献調査の結果、「界面活性剤は、『エンベロープ』と呼ばれるウイルスの感染に重要な役割を持つ物質(新型コロナウイルスもこの物質を有するウイルスである)を破壊することによる抗ウイルス効果が、論文等で広く支持されている」とした。

   また、「2003年にSARSウイルス感染が発生した際、国立感染症研究所感染症情報センターより公開された『SARSに関する消毒(三訂版)2003年12月』において、台所用合成洗剤の有効性が示され、家庭等での消毒方法の選択肢として示されている」と前例を示した。

   これらから検討委員会は、「界面活性剤は供給力もあり、新型コロナウイルスに有効である可能性があるため、優先的に検証をすべきではないか」と評価した。

有効性確認されても手指消毒には使わない

   検討委員会は発表資料の中で、界面活性剤の新型コロナウイルスへの有効性が確認された場合の使用方法についても説明している。

   まず住宅・家庭用洗剤の場合は、主にドアノブや窓の取手、ソファやテーブルといった家具類を対象とした消毒に用いる。界面活性剤をぬるま湯に溶かしたものに浸した雑巾で2度拭きする、布などにスプレーして拭きとる、などだ。

   次に台所用洗剤の場合。食器や箸、調理器具などを対象とした消毒に活用する想定で、界面活性剤をぬるま湯に溶かしたものに5分以上浸した後、通常の洗浄を行う方法をとる。

   ただし、台所用洗剤をぬるま湯に溶かして消毒液を作る際には洗剤の濃度を0.5%以上とすることが推奨されており、また同消毒液は手指などの消毒には適さない。

塩素系漂白剤は既に有効性ありとの発表

   ドアノブや食器などの消毒については、これまでに厚生労働省が「次亜塩素酸ナトリウム」を含む塩素系漂白剤による有効性を紹介してきた。一例として花王の衣料用洗剤「ハイター」や台所用洗剤「キッチンハイター」などを挙げ、塩素系漂白剤を濃度0.05パーセントまで薄めることで使用できるとしている。希釈の目安は、いずれの商品も水1リットルに対し25ミリリットルだ。これは花王のウェブサイトでも説明している。

   ただ注意点として、薄めた液でも皮膚を傷めるおそれがあるため、手指などへの使用はできない。

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