2024年 4月 25日 (木)

元SKE矢方美紀「コロナ禍の乳がん闘病」語る ポジティブに夢を追い続ける

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「そのウィッグいいね」に喜びと自信

   イベントでは、がん治療中の「アピアランス(見た目)」にまつわる悩みと、その克服法、周囲のサポートの大切さについて語った矢方さん。抗がん剤治療の影響で脱毛した際は、ウィッグを使っていた。

「脱毛する前から情報収集をして、色々と買いそろえていました。化学繊維100%のウィッグを10個くらい持っていたのですが、脱毛後1か月程度で2、3個くらいだめになり...安い買い物ではないのに、使い捨てるような形になってしまいショックでした」

   脱毛後3か月後に、全国福祉理美容師養成協会(ふくりび)のフルオーダーウィッグに出会った。医療用ウィッグのため、ネットなしでそのまま着けられるほど、頭皮に優しいのが魅力だ。

   以降は、5つほどのウィッグを日によって変えながら過ごし始めた。「着け心地が、それまで使っていたウィッグとはまるで違いましたね。ウィッグの方が自毛よりも巻きぐせがつけやすく、ヘアアレンジも楽しめました」と話す。帰宅したら頭からすぐに外し、丸洗いできるのも便利で「地毛よりラクでした(笑)」。3年前に作ったふくりび製ウィッグは今でも劣化しておらず、使える状態だという。

「ウィッグをつけて出歩くようになった頃、会う人に『そのウィッグいいね』と好意的な声をかけてもらうのが本当にうれしく、『あ、自分に合っているんだ。おかしくないんだ』と自信を持つきっかけにもなりました。コロナ禍でそういう、ちょっとした生の声に触れる機会が減っているのが残念です」

   矢方さんは幼い頃からの夢を追い続け、2020年に「声優」としてデビューした。21年10月9日より、中京テレビなどで放送しているアニメ「シキザクラ」に出演している。

   新たな夢も。自身の乳がん体験をマンガにした「27歳のニューガン・ダイアリー ~ボクの美紀ちゃんが乳がんになった話~」にまつわるものだ。

「闘病中は、つらいけど楽しいこともありました。文字だけだと重く伝わりすぎるところを、イラストにしてもらえたおかげで、良かったことも読者にわかってもらえる機会になったのかなと。最近は、マンガがアニメ化することもあるので...もし、自分の役を声優として担当できたら面白そうだなと思います(笑)」
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