小学生の男子「大人になったらなりたいもの」1位は「会社員」。第一生命保険の第33回「大人になったらなりたいもの」調査結果(全国の小学生・中学生・高校生、計3000人対象)を、2022年3月16日に複数メディアがこう取り上げた。ただ1位と2位の差は、わずか0.3%。その2位は「ユーチューバー(YouTuber)/動画投稿者」だ。全く毛色の違う夢が首位を競っている。2016年には「ユーチューバー」が調査結果は以下の通り。回答した小学生男子は581人だ。1位:会社員(9.6%)2位:YouTuber/動画投稿者(9.3%)3位:サッカー選手(8.1%)この並びは、同社が21年3月に実施した第32回「大人になったらなりたいもの」調査結果と全く同じ。当時も581人の小学生男子が対象で、1位:会社員(8.8%)、2位:YouTuber/動画投稿者(8.4%)、3位:サッカー選手(7.6%)だった。「YouTuber/動画投稿者」がランクインするようになったのは、この回から。それ以前は回答項目に見られない。しかし、別企業の調査結果に目を移すと、2010年代後半から「YouTuber」が「なりたい夢・職業」として登場している。中でも、学研教育総合研究所の「小学生白書Web版」2016年9月調査結果が興味深い。対象は全国の小学生計1200人だ。「将来つきたいなと思う職業(仕事)」ランキング1位~18位には「YouTuber」がないものの、「選択肢の中に将来つきたい職業がない場合は『その他』とし、自由記述欄を設けた。その中でひときわ目立ったのが『ユーチューバー(0.5%)』という回答である」と同社は分析している。翌17年8月の同調査では、一挙に「YouTuberなどのネット配信者」が4位にランクアップ。学研は「特筆すべき」事柄としている。さらに18年9月調査では3位となった。「職業」として認知根付く第一生命保険の調査が発表される前日、22年3月15日にはAdeccoGroupJapanが全国の小中学生1800人を対象に、「将来就きたい仕事」に関する調査結果を公表した。うち、小学生男子600人の「将来就きたい仕事」トップ3はこうだ。1位:サッカー選手(9.3%)2位:YouTuber(ユーチューバー)などの動画投稿者(8.5%)3位:野球選手(6.5%)会社員(サラリーマン・OL)もランクインしてはいるが、8位(3.3%)だ。ただ年齢が上がり、中学生男子(300人)になると順位が大きく変わる。1位は会社員(8.7%)、2位がエンジニア・プログラマー(8.3%)、3位が公務員(4.7%)。YouTuberは野球選手、ゲームクリエイターと並んで同率5位(3.7%)まで落ちている。AdeccoGroupJapanがこれまでに行った「将来就きたい仕事」調査をさかのぼった。19年3月(対象、全国の小中学生1000人)は、小学生女子(350人)のランキング7位に「YouTuber」の文字。小学生男子のランキングには入っていない。しかし20年4月では、小学生男子(300人)のランキングで「YouTuber」が3位に。翌21年3月は小学生男子(300人)のランキングで1位になった。小学生にとって、YouTuberは「仕事」「職業」として認知が根付いている様子がうかがえる。
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