2022年 8月 19日 (金)

コロナ「2類相当」を「5類」にしたら 医療費は自己負担、治療に数十万円も

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   新型コロナウイルスの感染症法上の分類について、季節性インフルエンザと同じ「5類相当」に引き下げるべきではないか、という議論が続いている。規制を緩やかにして医療機関や保健所などの業務を軽減し、経済活動への影響を少なくすることが主な狙いだ。賛同する人も少なくないが、その場合、医療費が自己負担になり、経済的にダメージを受ける人が増える可能性が指摘されている。

  • 治療薬も自己負担になる可能性が
    治療薬も自己負担になる可能性が
  • 治療薬も自己負担になる可能性が

現在は「1~2類相当」の厳しい措置

   感染症法では、感染症を1~5類に分類。必要に応じて一定期間、感染者の隔離を可能とするなど強制的に行政が介入できる措置を決めている。

   毎日新聞によると、例えば、致死率が高いエボラ出血熱は、最も厳しい「1類」に分類され、就業制限、入院勧告などが可能となる。医療にかかる費用は無料で、一連の措置は無症状者にも適用される。季節性インフルエンザや麻疹(はしか)などの「5類」は、いずれもこれらの枠外となる。

   新型コロナは、1~5類とは別の「新型インフルエンザ等感染症」に位置づけられている。この場合、さまざまな措置を組み合わせることができ、現在は、入院勧告や就業制限、濃厚接触者の追跡など「1~2類相当」の厳しい措置が可能となっている。

   こうした厳格な措置は、感染者数の増加とともに保健所や自治体の業務が逼迫(ひっぱく)する要因となっている、と同紙は指摘する。医師は感染者を確認すれば保健所に直ちに報告しなければならず、報告を受けた保健所は入院を調整。さらに感染者の濃厚接触者を調査し、患者や濃厚接触者に外出自粛を要請し定期的な健康観察も実施する。外部委託やIT化が急速に進むものの、今も膨大な人手を要する。

患者や家族に負担増

   第6波で感染を急拡大させたオミクロン株は、感染力が強いものの、症状としては軽症や無症状が多かった。しかし、「2類相当」の対応なので、行政や医療機関の作業は膨大。経済活動にも大きな影響が出た。

   見直しを求めることは幅広くあるようだ。FNNが2022年2月21日に公表した世論調査では、「5類の扱いにするべき」が58.2%で、「2類相当の扱いを維持するべき」(36.9%)を上回った。

   東京都の小池百合子知事は3月30日、国に対し、「5類相当」に引き下げることを要請した。政府は今のところ、基準を変える考えは示していない。

   小栗泉・日本テレビ解説委員は4月1日、NNNのニュースで「5類相当になるメリットは、入院勧告がなくなることです。治療が本当に必要な人だけに限定されることになれば、医療現場の負担はさらに軽くなります」「一方でデメリットはどうでしょうか。現在、医療費は全て公費でまかなわれていますが、5類相当になると、一部自己負担になります。そうすると、受診控えする人が増え、感染がさらに広がるという懸念もあります」と解説した。

   オミクロン株の流行が早かった沖縄では、沖縄タイムスが2月13日、この問題を取り上げている。

   その中で、感染症に詳しい県立中部病院の高山義浩医師は「5類に引き下げれば、まん延防止に向けた行政の役割は後退する。高齢者施設などで集団感染が起きても施設側の責任となり、県が医療関係者を派遣したり濃厚接触者を検査したりする予算は根拠を失う」と拙速な見直しには否定的だ。

   さらに懸念するのは医療費の負担増。現在のように全額公費で賄うのは難しい。コロナの治療薬は数万円~数十万円とされ、公的医療保険を使っても相当な支払いが必要で「受診控えが起きてもおかしくない」と話している。

治療薬は1回約8万円

   オミクロン株は当初、「軽症がほとんど」と言われたが、感染者数が膨大になるにつれ、高齢者を中心に死者も急増した。

   日経新聞によると、厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」は3月2日、新型コロナとインフルの比較結果を示した。2月下旬までのオミクロン型の致死率は約0.13%。インフルエンザは少なくとも0.006~0.018%と推計され、関連死を含めても0.01~0.052%だった。致死率には、かなりの差がある。

    コロナでとくに気になるのは医療コストだ。ワクチンは米ドルで20~30ドル、日本では接種1回ごとの医師らに原則2070円の対価が支払われている。米国などで開発された治療薬は、各種報道によると、1回当たり約700ドル(約8万円)と言われている。「抗体カクテル療法」は1回31万円もかかるようだ。いずれも現在の基準では、公費負担となっているため、自己負担はない。

   さらに容体急変時の高度な救命治療や、後遺症による長期の治療なども含めると、高額療養費制度を使っても、患者や家族の負担は大きい。

   感染症に詳しい岡田晴恵・白鴎大学教授は、「AERA」3月21日で、「一般的にコロナウイルスは、変異がドラスティックで先が読み難い怖さを秘めています。オミクロン株(BA.1)は上気道が主でしたが、ステルスオミクロン(BA.2)は、また肺で増えやすくなっている。オミクロンが最後の変異株ではないでしょう。今後の変異株が病原性も強くなるか弱くなるか、わからない。安直に2類、5類と分けて対応できる問題ではありません」と語り、類型の見直しよりも、ワクチン接種・検査・治療療体制の充実など、先にやるべきことがあることを強調している。

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