富士通とレノボの合弁会社・富士通クライアントコンピューティング(FCCL)が、パソコン(PC)のサブスクリプション(定額課金・以下サブスク)サービスをスタートした。「FMVPrime」という名称で、2022年3月29日から提供している。PCの分割購入と各種サポート、修理の際の特典をセットにして利用できるものだ。しかしインターネット上では、サービス内容やPCのスペックと料金を天秤にかけて、「割高ではないか」と疑問の声が挙がっている。5年契約総額23万8800円現在、FMVPrimeの対象となる機種は、15.6型のノートPC「LIFEBOOKAH」シリーズのウェブ限定モデル「LIFEBOOKWA2/F3」だ。基本ソフト(OS)に「Windows11」、CPUは「Celeron6305」を採用。メモリは4GBでストレージ約256GBになっている。FMVPrimeを利用するにはこれらのスペックのカスタマイズはできないが、「OfficeHomeandBusiness2021」(以下、Office)の有無は選択可能だ。提供されるサービスは、エントリープランでは「MyCloudプレミアムあんしんスタンダードコース」、「ワイド保証」、「ワンポイントレッスン」がセットパックになっている。「あんしんスタンダードコース」では、PCソフト100種類の使い放題や、国内宿泊施設などの優待価格、修理費無料、1年間の無料電話サポートが付いている。「ワイド保証」では、メーカー保証外の破損・損傷、故障でも、無償で修理を受けられる。「ワンポイントレッスン」は、PC、スマートフォンの困りごとをリモートで解決する、電話サポートサービスだ。ほかにも「オンライン英会話」や「囲碁ネット対局プラン」など、多数のプランが用意されている。Office無しのサブスクで購入する場合はエントリープランの5年契約が3980円から、3年契約では4980円から。それぞれ支払い期間を終えると、総額で23万8800円、17万9280円となる計算だ。ただし、契約期間中の途中解約時には、税込5500円の解約手数料とエントリープランの総支払額残責分を一括で支払う必要がある。PC入門レベルやシニア層向け「LIFEBOOKWA2/F3」だけを購入する場合、「FMVPrime」で使用するPCと同スペック、「Office」無しの場合、販売価格は11万3080円(税込)。2022年4月27日までは、キャンペーン価格として8万9333円(同)となっている。「FMVPrime」では前述どおり、各種サポートが付くので当然、PCだけを買うより高額だ。ユーザー本人のPCの用途や操作の習熟度、困ったときに質問できる人が近くにいるかどうかといった環境によって、こうしたサポートの必要度合いは変わってくるだろう。ただネット上では、「FMVPrime」の内容を見て、「PCスペックが低すぎるのではないか」、「提供内容からみると、割高ではないか」と厳しい指摘をする書き込みが見られた。J-CASTトレンドはこうした意見について、FCCL広報に取材した。同社によるとサービスのターゲット層は、PC入門レベルのユーザーやシニア世代がメイン。そのため、「各種サービスによる手厚いサポート込みの商品として、ご提供しております」と話した。ネット上で指摘されている価格については、「PC本体だけでなく、月々ご利用いただけるサービスを込みでご提示しておりますので、高く見えてしまっているのかもしれません」と広報。続けて、「それぞれ(PCと各種サービスを)別建てでご購入・契約いただくよりも割安な設定とし、さらに継続していただくことでキャッシュバック特典もご用意させていただきました」と説明した。公式サイト上では、契約後3か月目の支払い時に950円、4か月目以降は毎月450円、そしてエントリープラン以外を選択した場合にはエントリープランとの差額価格の5%をキャッシュバックすると記載されている。手厚いサポート必要との声多かったPCスペックに関しては、「ヘビーユースでなければ実用使用可能ですし、当社ユーザー調査ではスペックよりも手厚いサポートを必要とされている声が多かった」と、初心者向けである点を強調した。メモリについては、市販の製品を増強可能だという。FCCL広報は、「お客様の月々のご負担額を最小限にすることを考慮し、本構成にてご提供させていただきました」と、割高ではないことを繰り返し説明した。
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