「WindowsUpdateが炭素に対応するようになりました」。米マイクロソフト公式サイト(日本語版)には2022年10月20日現在、この文言を見出しとする機能紹介ページがある。「炭素に対応」とは、見慣れない表現だが――。基本ソフト「Windows11」を搭載したパソコン(PC)で、システムを自動更新する機能「WindowsUpdate」を使うと、「炭素排出量を削減しやすく」なるのだという。9月21日に配信を開始した最新バージョン「22H2」以降で対応している。「電力の割合が高いほど電力の割合が低い」?ページ説明は、次のようになっている。「デバイスが接続され、オンになり、インターネットに接続され、地域の炭素強度データが使用可能になると、WindowsUpdateは特定の時刻にインストールをスケジュールします(電力の割合が高いほど電力の割合が低いため、電力の排出量が低くなる可能性があります)」(原文ママ)少々、奇妙な日本語で、どのような機能なのかわかりにくい。9月21日付のアップデート内容に関する告知では、もう少し詳細な解説がなされている。それによると最新の「WindowsUpdate」では、各地域の電力供給状況を「炭素強度データ」により認識。「低炭素電源」による電力の割合が高く、二酸化炭素の排出量が少なくなると考えられる時間帯に優先的にアップデートを行うよう、更新スケジュールを設定するのだという。なおこの機能が使えるのは「炭素強度データ」が利用可能な場合に限られ、日本の各地域でも利用できるかは不明だ。米マイクロソフトは3月3日にWindows11のテスト版「InsiderPreviewBuild22567」を公開した際、同様の機能を公表していた。当時は、風力や太陽光、水力といった「クリーンエネルギー」による電源がより多く利用できる時に優先して更新できるようにした、との説明だった。上述の「低炭素電源」とは、こうした再生可能エネルギーを指すのだろう。9月21日付告知によると、一定時間操作がなかったときにPCを休止状態にする「スリープ」や、画面オフに関する電源設定にも変更を加えている。PC待機中時の二酸化炭素排出量も削減できるようにしたという。スリープ「なし」にすると注意が記者が最新の「Windows1122H2」搭載PCで時間経過によるスリープや画面オフを「なし」に設定したところ、設定画面には、「スリープは『なし』に設定されているため、バッテリー残量が減少し、炭素排出量が高くなります」「画面オフにならないように設定されているため、バッテリーの寿命が短くなり、二酸化炭素排出量が高くなります」との注意メッセージが表示された。近ごろのWindowsは環境に配慮しているようだ。