わずか15秒で新型肺炎感染か 中国・浙江省、患者の行動追跡で当局が可能性示唆

   新型コロナウイルスによる肺炎が全国的に広がっている中国で、2020年2月4日に新型肺炎と診断された浙江省の男性が、「野菜売り場で買い物をしている15秒の間に感染した」可能性を報じられ、現地メディアやSNSで大きな話題になっている。

当局が特定した男性の行動(編集部で表を作成)
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少なくとも2週間は武漢のある湖北省に出入りなし

   浙江省寧波市江北区の衛生当局によると、この男性は56歳。2月4日に新型肺炎と診断されたが、男性は発症前少なくとも2週間は武漢のある湖北省に出入りしておらず、野生動物との接触もなかったほか、知り合いに新型肺炎患者はいなかった。

   当局は、感染に至る経路を特定するため、男性の発症前の行動と、近隣で既に発症した人の行動を照合。その結果、男性が1月23日午前7時47分に近所の野菜売り場で買い物をしたときに、男性より先に新型肺炎の確定診断を受けている61歳女性と、15秒ほど近くにいたことが判明した。この女性は1月19日に私的な行事に参加した際に、感染したとされている。2人ともマスクはしていなかったという。

   当局は、男性がこの61歳女性から感染したとは断定していないが、唯一の感染者との接点として紹介。さらに男性が1月23日以降に立ち寄った店舗も全て公開した上で、「全ての市民は公共の場に行くときは絶対マスクをつけて!マスクをつけて!マスクをつけて!」「全ての市民は極力外出しないで、集まらないで!」などと注意を呼び掛けたため、人民日報など主要メディアが一斉に、「マスクを付けないで買い物に出かけた男性、15秒で感染?」と報道した。

   SNSのウェイボー(微博)でもこのニュースがトレンド入りし、「マスクが足りてないのにどうすればいいの?」「15秒で感染するなんて、どこまで心配すればいいか分からない」など不安の声が寄せられている。

(ライター・浦上早苗)

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