業者はガク然と
しているでしょう
命を救ったのは「タレ」ではなく「冬眠」だった。今朝の特集は、神戸・六甲山で遭難して24日ぶりに救出され、19日に退院した打越三敬さんの話だった。
退院の記者会見ではやはり「タレ」に質問が集中したが、打越さんは「試した程度、とても食べられるものではない」。
そこで小倉智昭キャスターは「業者は『命を救ったのは焼肉のタレ』というキャッチフレーズまで考えていたのでは? ガク然としているでしょうね」。やっぱり出た辛口発言。
番組では、遭難2日目に意識を失い、以後20日以上も飲まず食わずで生還した奇跡に焦点をあて、低体温で心臓もほぼ停止状態となり、物質代謝が極めて低い”冬眠状態”が幸いしたと結論づけた。
ただ最後に、武蔵野日赤病院の栗栖茜外科部長が「救助した後の病院の措置が適切だったのでしょう。よくあるのは、亡くなったと思い遺体安置所に置いたままにしてしまうのです。暫くして棺をノックする音が聞こえることもよくある」とはビックリ。これって医療ミス?
「こういうのって、事後の報告ではダメなのかしら...」
『とくダネ!タイムズ』の2番目で、107人が死亡したJR福知山線・脱線事故の事実調査報告書を取り上げた。
報告書では、最後に停車した伊丹駅で運転手が72メートルのオーバーランをし、車掌に「まけてくれへんか」と依頼していた点に注目。車掌が新大阪総合指令所にオーバーランを報告する無線の会話に、運転手が気を取られてしまいブレーキ操作を忘れた可能性を指摘している。
「こういうのって事後の報告ではダメなのかしら・・・。気を取られるよね」という小倉の疑問は当然だ。
番組では、運転手は車掌と総合指令所の会話は基本的に聞けないはずなのだが、あるボタンを押すと運転手も聞ける“裏の技”があって、事故を起こした運転手はそれを使って聴いていたのではと推測していた。
この疑問を中心に、顧客の安全より運行効率化による経営を重視する会社の姿勢にもっと突っ込んでほしかった。
『振り込め詐欺の新手口 税務署員を装った還付金詐欺』は、生々しいだましの手口がわかり力作。とくに60歳台の女性が実際に詐欺師からの電話でだまされそうになったが、たまたま取材スタッフが居合わせて難をまぬがれた映像は、機械に不慣れな高齢者が相手の言うままに複雑な操作をする姿が伝えられていて説得力があった。
映像を見ていたら、ATMなど複雑な操作を強いながら多額の手数料を取る金融機関の便利さ・効率化は、顧客のためというより、金融機関自身のためにあるのではないか、との疑問も湧いた。その点を含めもう少し突っ込んだ取材を求めたい。