リアルな「裸の衣装」 OZMAに紅白大賞を!

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   第57回NHK紅白歌合戦は、総合司会の三宅民夫アナのナレーションに導かれてスタート。会場である渋谷NHKホールの照明がアップされると、司会の中居正広と仲間由紀恵が壇上に降臨した。

   このコンビ、独特のしっとり・すべすべ感の仲間に、中居のテキトーさがうまくミックスされ、本人たちが言うように「悪くない」んじゃないだろうか!? 中居はちょっとした毒もあり、NHKの”ベタな臭い”に反応して中和していた。さすがにマルチタレントだが、この如才なさが歌唱の際にはまったく発揮されないのは一体どーしてなのか、とても不思議である。

小ネタ連続で笑い誘った前半戦

   さて、天下分け目のこの一戦。その前半は両軍にらみ合い、微妙な苦笑を呼ぶ小ネタの連続であった。鳥羽一郎「兄弟船」にかこつけて、ウルトラマン「兄弟」を出演させ、バックダンサーに起用する。特別ゲストの宇崎竜童が「夢に出てきそうで…」とコメントしたのも、もっとな珍場面であった。

   細川たかしは約20年ぶりに”歌詞忘れ”を同じ曲で披露。「あっ、歌詞忘れちゃった」と悪びれずに告白し、その後すぐにリカバーしたあたり、歌手としての成長をうかがわせた。「さそり座の女2006」で珍妙なゴス風の編曲を聞かせたのは美川憲一。肝心の衣装も曲のアレンジに負けず劣らずであった。

   また、オレンジレンジ不朽の名曲「チャンピオーネ」で、曲の魂とも言うべき雄叫び「オーオオッオッオー♪」がカットされていた。残念至極である。

後半最大の見せ場「ショーパブOZMA」

   期待の後半戦。紅白のプロデューサーが「最大の見せ場」と豪語しただけのことはあった。小林幸子はともかく、DJ OZMAの「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」がやってくれた。第二のスーパーボール事件をひき起こしてくれたのだ。

   この日の「ショーパブOZMA」を成功させるため、OZMAとNHK(プロデューサー?)は二重三重の伏線を張っていたようだ。まず、「脱ぎ脱ぎ宣言」をしておき、29日のリハーサルでは、北島三郎が「もし開チンしたら張り倒す」と”煽り”を入れる。

   1回目の「イリュージョン」もまた伏線。OZMAの代わりにダンサー集団が”裸の衣装”に変身した。これは文字通りの”衣装”だったのだが、OZMAも反省していたように「ちょっとリアルすぎた」せいでブツギを醸す。

   そして、ついに曲もクライマックス、2回目のイリュージョン。「あ? また同じ手かよ。どうせ全部出すわけないし、今度は観客席にでも出てくるのか」と筆者をはじめ、多くの視聴者が冷めていたことだろう。北島が登場し、「2007年もアゲ♂アゲ♂で行きましょう!」と和解宣言するとは不覚にも予想できなった。

   北島登場の演出はOZMAが思いつき、29日のリハーサル後、本人に直接依頼したのだという。ホントかなあ? だったら、たいしたもんだ、と思う。今後はイリュージョニストに転身することも考えてみるべきだろう。

栄えある「第1回紅白ウォッチ大賞」は?

   けっこう楽しく見てしまったのだが、公序良俗な視聴者とスポーツ紙記者はダンサーの胸に釘付けされていたようだ。「あれは本物なのか」「子供も見ているのに、ふさわしくない」等の抗議が250件もあったとか…。

   えーと、紅白とはいえ、歌番組でダンサーのオッパイが出たぐらいのことで、そう騒ぐこともないんじゃないでしょうか。米国では世界最大のスポーツイベントで、大スターのジャネット・ジャクソンが胸襟を開いているぐらいなので…。

   OZMAは間違っても懲りず、キワモノ道を極めてほしい。今回の紅白、ポップ音楽部門では、NHKのスキそうな私小説風ソングが幅を利かせていた。刺激に乏しく、容易に「共感できる」楽曲群に飽き飽きしていたところ、パンクの馬鹿馬鹿しさとグラムな虚飾、異常・過剰なサービス精神を魅せてくれた。

   宙吊りになって普通に歌えるのかどうかという疑問はさて置いて、「第1回紅白ウォッチ大賞」というものがもしあったら、授与してあげてみたいところである。

文   ボンド柳生
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