「スーパー派遣」春子、勘違い男をぶっとばせ!(ハケンの品格)

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   面白い。さすが篠原涼子、時給いくらかは存じ上げないが、ストーリーを引っ張っていくチカラは、まさに“特Aランク”でございましょう。

   のっけから、田口トモロヲのナレーションに「プロジェクトX」を連想。あの番組で描かれた高度経済成長期の奮闘、やがてバブルがはじけて倒産・リストラの嵐、人件費削減のためハケンが生まれたわけね。

   主人公・大前春子(篠原)はすぐれたスキルをもつスーパー派遣。けれど職場では、余計な付き合いは一切せず、時間外労働も拒否。「残業、休日出勤はいたしません。定時で帰らせていただきます」って、それは私も言ってみたい。

   ハケンの待遇、社員とのビミョーな関係、いろいろ興味深い。イヤミな正社員、大泉洋が見事にはまっている。ことあるごとに隣の部に顔を出しては、ハケンの悪口を言いまくって。そんなにヒマなのか? 昔ながらの家族みたいな会社がよかったという彼のつぶやきも、わからなくはないけどね。

   人のいい小泉孝太郎主任や、失敗ばかりでしまいにはパシリにされてしまう新米ハケン役の加藤あいも適材適所。

   次々襲いかかる仕事仲間の絶体絶命のピンチに、「私には関係ございません」と、あくまでクールな春子。なのに結局は助けてしまう。あれっ?!ひょっとして春子の前世は木枯らし紋次郎? そういえば舞い上がる落ち葉の中をマント着て登場し、通っている定食屋も“ようじ屋”だ。

   ホッチキスの早打ちのみならず、クレーンの運転やマグロの解体まで出来ちゃう春子! 意表をつく展開が痛快。でも3話のラストでハケン差別者の大泉くんの改心は、ちょっと早すぎないか。二人の対決が見ものだったのに。おまけにキスなんて。ダメだ春子、勘違い男をぶっとばせ! 次回が気になる。

   大笑いしつつも、何のために働くのか、会社を、仕事を、自分の中でどう位置づけるのか、はたまたニッポンの歩んできた道のりなど、なんだかいろいろ考えさせられる中味の濃いドラマなのである。

   ※ハケンの品格 水曜夜10時・日本テレビ系

文   ツキノ・ワグマ
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