「行政の怠慢ですよ」
GW中の大阪・吹田市の遊園地「エキスポランド」で、ジェットコースターが起こした惨事を取り上げた。1人が死亡、1人が重傷、そして、31人が病院に運ばれた。スタジオのコメンテータからは、民間任せのチェック体制の現状と行政の怠慢への批判が相次いだ。
番組は、亡くなった会社員、小河原良乃さん(19)の無言の帰宅を映し、「がんばり屋さんで笑顔の可愛い子だった」「親思いの子」など、良乃さんを知る上司や隣人の悲しみの談話を流した。
なぜ事故は起きたのか。番組によると、ジェットコースターは建築基準法により6か月から1年間に1回定期検査をし、報告が義務づけられている。エキスポランドでは1月30日に定期検査を行ったが、いつもは同時に行っている任意の解体検査を5月10日に先送りしていた、という。これで事故原因の追及は終わり。
続いて週刊朝日編集長の山口一臣が「定期点検が半年に1回、1年に1回でいいのか」と疑問を投げた。これに呼応して弁護士の橋下徹が「何でも規制緩和でなくきちっとした監査体制を持つべきだ。行政の怠慢だ」と、行政批判。
スリル、危険を売り物にし、ますますスリルがエスカレートしているこれらの遊具を監視するチェック体制は、法的不備が指摘されるのもやむを得ない。しかし、既報では遊園地を開設して以来15年間、折れた車軸は変えたことがないなど新たな問題が出ている。
先のエレベータの整備不良問題など、最近とくに、コスト削減のために企業が当然履行すべき基本的な義務を怠る傾向が目に余る。行政批判よりまず企業の営業オンリーの姿勢を糺すべきでは。