「赤字200億円企業」再生の極意は「ワンマン経営」

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   赤字200億円の会社を1年で黒字化させた「体育大学卒」「倉庫係出身」の社長。異色ともとれるこの経歴の持ち主が、今回の『プロフェッショナル 仕事の流儀』のゲストだった。半導体メーカー「エルピーダメモリ」社長、坂本幸雄。3年連続200億円を超える赤字を出し、どん底に立たされていた会社を1年で立ち直らせた彼は、一体何者なのか。

   坂本は日本体育大学を卒業後、日本テキサス・インスツルメンツに就職した。テキサス・インスツルメンツと言えば、世界的な半導体メーカーとして有名だ。しかしビジネスの知識なんてなかった坂本は倉庫係として配属される。だがそこから持ち前のヴァイタリティで頭角をあらわし、20年後に取締役にまで昇りつめた。そして退社後、赤字企業を次々と再建し、「再生請負人」とまで言われるようになった。

   なぜ彼が手がけると会社は生き返るのか。それは彼の「ワンマン経営」にある。彼は会社のあらゆる情報を常に把握していて、それに基づいてすぐに決断する。その際に大勢の意見を聞いていたら、リスクを背負うことができなくなり、中途半端な判断となってしまう。大規模な投資を決めるときでも、独断で決定する。

   「投資は一人の強烈な個性で決めなければいかんと僕は思っているんですよね。皆の意見を聞いてやるのは投資じゃないよ。そこに立ったトップの人が自分の責任で決めていくしかないよね」

   会社のリスクを一人で背負って立つ。それが彼のやり方なのだ。

   「ワンマン経営」というのは、あまりいい意味にとられないことが多い。オーナー企業の不祥事が何かと世間を騒がせている昨今、私にとってもやはりいいイメージはない。

   しかし坂本のケースのように、社長の素早い意思決定が会社にとって大きくプラスになることもあるのだろう。トップに立つ人が優れていれば、大人数の合議による決定よりも、トップ一人の決断の方がいい結果を生むことも多くなる。その社長が退任した後はどうなってしまうか知らないが。

   半導体業界は日々めまぐるしい発展の中にあると聞く。やはりワンマンじゃないと、業界の中で先端を走るのは無理なのかもしれない。坂本はこれまでに見た『プロフェッショナル』にはいないタイプの経営者だったが、社長のあるべき姿をまた一つ知ることができた。

   ※NHK プロフェッショナル 仕事の流儀 「勝負の決断はこうして下せ~経営者・坂本幸雄」(2007年5月8日放送)

文   慶応大学・がくちゃん
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