「アメリカならとっくに突入している」
銃撃、人質をとって立てこもり、警察官が死亡・・・テレビ・メディアのカメラは現場に張りつく。ほとんどそのまんまの状況だ。
視聴者の視線は停止画面のような画面に張りつく。視聴者は「あっ、動きました。警官隊の突入です」この瞬間を待っている。テレビは万全の構えで中継を続けるのだが・・・動きがない。
同時進行のカタチで、とくダネ!もとうぜん番組の中心は愛知県長久手町の立てこもり事件。現場も視聴者も<動きがない=くたびれる>持久戦で劇場型ニュースの「一瞬のクライマックス」を待っている。
スタジオ・トークの途中で小倉智昭がいった。「警察はいつでも撃っていい状況だったでしょ。アメリカならとっくに突入している」
CMタイムにチャンネルを変えたら他局も同じ画面だった。
事件現場から「現在も警察の説得が続いております」――空撮した映像で「周辺は学校が多い静かな住宅街」――外出を禁止された住民に電話「主人と息子が親戚宅に避難・・」――また現場の映像に戻る。
「警察としては、とんでもない失態はしたくないということでしょう」と箕輪幸人・フジテレビ解説委員。
犯人の元暴力団員の動きも凍結されたまま。「もどかしい、その思いですね」(野村浩子)
番組ではしばらく小窓で現場の定点カメラ。それも9時過ぎあたりでやめてしまった。
9時41分ころ、続報が入った。――「人質は元妻50歳のようです。次女が電話したら母親は元気だとか・・・それに、警察の動きがあわただしくなってきました」
ただいまリアルタイムでオンエア中――今朝の朝ワイドは、野球でいえば何イニング目だったろうか。