「ポケットモンスター」
ピカチュウさえ活躍すればそれでいい?

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   年間460本も見るとなると、その中に当然漫画映画も含まれる。宮崎駿の大人向けも、この作品のような幼児向けの漫画も皆カバーしなければならない。漫画映画もこのポケモン・シリーズのように毎年30億円以上の興行成績を挙げるものもいくつかある。

(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon (C)2007 ピカチュウプロジェクト
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon (C)2007 ピカチュウプロジェクト

   10億を挙げれば大ヒットという映画興行界にあって、昨年の数字を見るとトップの「ポケモン」が34億、「ドラえもん」が32.6億、「名探偵コナン」が30.3億、「クレヨンしんちゃん」が13.8億だ。いずれも東宝配給の漫画映画でTV番組からの映画化だ。だから担当のTVは無料スポットで凄いPRを展開して興行成績を助けている。

   子供料金で大した数字が挙がらない筈の漫画映画の強みは、保護者が付き添って必ず大人料金を払うことだ。但し殆どの大人はベッド代わりの1800円だろう。おとーさん、おかーさんは日頃の激務と睡眠不足をソファのような劇場の椅子で補っている。これなら2本立ての3時間近くも気にならず、ぐっすりおやすみになれる。

   NYに住んでいた頃、日本アニメの凄さを自覚した。秘書のキャシーが、姪のために「キーレンジャー」が手に入らないかと頼みに来た。何のことかと聞くと、彼女は言う。

   「5チャンネルを見ていないか、『ゴレンジャー』という人気番組がある。赤でもない、青でもない、黄レンジャーが一番の人気。『シュワルツ』(NYの有名玩具店)に注文したが入荷は来春と言われた」

   土曜の朝「ゴレンジャー」が放映されていた。何のことはない「仮面ライダー」が5人いるだけではないか。もう一本が女の子向けで「セーラー・ムーン」も高視聴率をとっていた。

   更に驚いたのはマンハッタンのど真ん中、ロックフェラー・センターに「ポケモン・センター」が出来たというのだ。覗いて見ると広い店内にポケモンがブンブン飛んでいて、アメリカ人の子供たちで溢れていた。遅れて42丁目の「ヤンキース・スタジオ・ショップ」の隣には「キティちゃん」が開店して、人だかりがしている。

   さて映画の中身だが、ポケモンマスターを目指して冒険の旅を続けるサトシ&ピカチュウ、ヒカリたち一行は金髪の少女アリスに出会う。アリスの気球に乗せてもらい、アラモスタウンへ向かう。町には石造りの建物が美しく並び、中心にはゴーディ作の「時空の塔」がそびえている。町には昔からの「予言」がある。「時と空が溶け合うとき、大きな怒りが世界を包み、神々が戦い始める。それを救うのが「オラシオン」だ。

   今回は10周年記念作品だそうだが、「予言」とその実現など、一昨年の「裂空の訪問者」や昨年の「ミュウと波導の勇者」よりも話は複雑で、大人でもややこしい。しかしピカチュウさえ活躍すればそれで良いのだろう。映画の前後にニンテンドーDSの宣伝、TV局の宣伝、そして極めつけは上映館総ての名前がズラーっと出て来る。館内でゲームの実演があるからだという。映画そのものより関連商品の売り込みが目立つ。映画本編はゲームの予告編やCMに過ぎないように思えてくる。

恵介
オススメ度: ★☆☆☆☆
「ポケットモンスター/ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ」
2007年日本映画、東宝配給、1時間35分、2007年7月14日公開
監督:湯山邦彦
声の出演:松本梨香 / 大谷育江 / うえだゆうじ
公式サイト:http://www.pokemon-movie.jp/
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