汗なし、涙なし、青春なし「脱力学園コメディ」って?(おじいさん先生)

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   テレ朝の充実ぶりに比べると、最近あまりパッとしない日テレの深夜枠。だが、その中で際立った"オーラ"を放っているのが、土曜深夜に放送されている「黄金の舌」だ。

   この番組は、前半の「ドラマ枠」と後半のアイドル粗製濫造バラエティ「ルドイア☆星惑三第」の"二階立て"なのだが、いずれも日テレとドコモによる事業組合"DNドリームパートナーズ"と日テレ系列のソフト会社"VAP"が製作・著作を担当している。実質的には他の番組と同じく、日テレおよび各制作会社によって制作されているのだが、この「DN・VAP体制」が意外にもいい番組を多く産み出している。作り手の活気と遊び心を存分に感じさせてくれるのだ。

   特に、前半のドラマ枠で7月7日から始まったばかりの「おじいさん先生・熱闘篇」はハイクオリティ。汗なし、涙なし、青春なしの"脱力学園コメディ"だ。企画は、宮藤官九郎や阿部サダヲが所属していることでも有名な、松尾スズキ主宰の劇団「大人計画」が担当している。

   「おじいさん先生」の舞台は、地元のヤクザですら頭が上がらない"ワルの巣窟"エンペラー学園。校長(きたろう)と教頭(柳沢慎吾)は生徒にパシりにされて(!)忙しい。ほとんどの男性教師はケガをしている。

   そんな無法地帯に突如として現れた87歳の「おじいさん」。小刻みに震えながらの登場だ。演じるのは、ピエール瀧(40歳)。「徘徊してらっしゃるんですか?」と尋ねるマドンナ先生(松本莉緒)だったが、なんと彼は、学園の中でも一番ワルだらけの3年D組の担任に赴任してきたというのである。

   そう、このドラマは、そんなおじいさん先生とヤンキーたちの奮闘を描いた物語なのである。

   第一話「おじいさん先生、死す!」では、おじいさん先生は最強・最凶の3-D番長(松村雄基=43歳)との直接対決で、三途の川まで行ってしまう。しかし、死んだ奥さんの代わりにお迎えにやってきた三河屋(千原Jr.)との三途の川の入場料を巡る長いやり取りを経て、驚くべき方法で番長に勝利し、手なづけることに成功する。

   筋書きもシュールだが、散りばめられた細かいギャグも予断を許さない。また配役のハマりっぷりと、意外と練られている脚本と演出によって、妙なリアリティを醸し出している。

   ちなみに、この「黄金の舌」のドラマ枠は以前から、ドラマ本編終了後の5分間がほとんどCMばかりという構成なのだが、その途中に入る「次週の予告編」と最後の短い「シメの言葉」はある意味、本編よりぶっとんだ内容になっている。最後まで油断できない、遊び心満載の番組である。

   ※おじいさん先生(日テレ系・土曜24時50分)

文   鯖野かサバり
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