「ビートたけし」のシャイな父ちゃんがよかった!(菊次郎とさき)

印刷

   「菊次郎」と「さき」というのは、言わずと知れたビートたけしの両親の名前。たけしの自著が原作となっている。2001年に新春ドラマスペシャルとして放送され、好評だったので2003年と2005年にも連ドラとして放送された。だから2年ごとに作られていることになる。

   舞台はたけしが少年時代を過ごした昭和30年代の東京足立区梅島だ。残念ながら行ったことがないけど、この時代、まだずいぶん自然が残っていたようだ。特に川の土手がいい。叱られたときのたけし(大和田凱斗)や、すねたときの父ちゃん(陣内孝則)が来て座るのはいつもここだ。昔はほかに行くところもなかったんだね。

   1回ごとにエピソードがあって、毎回、一応収まりがつく。だから、見られなかった回があっても焦らなくてすむのがうれしい。

   父ちゃんのキャラクターが大好き。もうメッタヤタラとシャイで、酒を飲んでいないときは、人とまともに話もできない。こわい母ちゃん(室井滋)が待つ家にも帰れない。だからいつも酒を飲んで勢いをつけて「今けえったぞー、文句あるか!」。で、だれも文句言わないのに、わけもなくちゃぶ台をひっくり返すから、結局、母ちゃんと取っ組み合いになる。

   こういうときに、またユニークなのが、バアちゃん北野うし(吉行和子)。「さきちゃん、今に見てな。あたしがいつか菊次郎を殺してやるからね」。当然、「うるせー、クソババア」となる。

   そういうところって、今のビートたけしも父ちゃんそっくりだよね。自分が気が小さいのを知ってるから、照れくささのあまり、毒舌を吐いたり、わざとヒンシュクを買ったり…。小学校の頃、わざと好きな女の子をいじめて泣かせたりする男の子、よくいたけど、父ちゃんもたけしも、そういう悪ガキそのまんま。こういう子、後で1人ですごく後悔してんのね。

   一方、母ちゃんはものすごい教育ママ。いつも内職の手を止めず、傍らで勉強しているたけしと兄の大(谷本和優)を見張っている。大は、中学生なのに七三分けに黒縁の丸メガネ。今のタレント教授北野先生の顔が浮かんできて、笑っちゃう。

   室井滋はうまい。うますぎて嫌味なほどだ。でも、周りとのバランスが取れているから心地よく見ていられる。

   隣の職人夫婦、物知りで講釈好き(実は塀の中で独学したらしい)の親方、飲み屋の女将と看板娘の花子ちゃん…、本当にこんな人々が住むこんな町があるような。知らない人でもなつかしくなる昭和の世界だ。2年後にまた会おうね、たけし。

   ※菊次郎とさき(テレビ朝日系・木曜21時)

文   カモノ・ハシ
  • コメント・口コミ
  • Facebook
  • twitter
コメント・口コミを投稿する
コメント・口コミを入力
ハンドルネーム
コメント・口コミ
   

※誹謗中傷や差別的発言、不愉快にさせるようなコメント・口コミは掲載しない場合があります。
コメント・口コミの掲載基準については、コメント・口コミに関する諸注意をご一読ください。

注目情報PR
追悼
シニアの健康ライフ
Slownetからのおすすめ記事(提携)

お知らせ

電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中