ピーコ「きれいになった」 女子マラソン新美人法?
野口みずき(29)がやった。きのう(18日)行われた東京国際マラソンで、ライバル渋井陽子(28)を29キロ地点から引き離し、独走して大会新記録の2時間21分37秒。北京オリンピックへの切符をほぼ手中にした。
気温20度を超えるきびしい条件の中、野口と渋井はトップを並走した。普通は風の影響を避けるため、後へ回ったりするのだが、「負けず嫌いなので」と野口。これは渋井も同じだったらしいが、レース後半のスピードアップにだれも追いつけなかった。渋井はけっきょく7位。
「強いですね。とくに後半のスピードを上げていって大会記録というのはたいしたもの」と元陸上選手の小倉智昭が舌をまく。
スポーツジャーナリストの増田明美が「最後の上り坂のところがいちばん元気だった。あそこに野口さんの強さが表れていた」という。
5キロごとのタイムを過去7年の優勝者の平均と較べてみると、それははっきりする。前半はほとんど変わらないが、20キロ以降は歴代平均が17分台なのに、野口はずっと16分台。とくに最後の四谷の上り坂を含む5キロでは16分54秒で、平均記録に1分近い差をつけている。
小倉が「アテネの時もそうだけど、野口さんは下りより上りが断然いいじゃないですか」というと、増田も「この速さは、平坦なら15分台。それを後半で維持できたことがすごい」といった。
勝因を増田は「創り上げた脚」といった。スイスや中国で高低のあるところを走って鍛えた脚だと。「野口さんは勝因を『チームワークです』といっていた。野口さんも完璧主義者だが、スタッフもそうだ」と。
北京の出場枠は3つ。すでに土佐礼子が内定、野口が加わると残りは1つ。1月の大阪国際、3月の名古屋国際に、福士加代子(25)、高橋尚子(35)らが挑むといわれる。
ピーコは「マラソンは女子の方が楽しい。何かドラマチックですよ、男より。なんでだろう」
「選手一人ひとりの思いが強いんでしょう」(増田)
「レベルが高いから」(小倉)
ピーコはさらに「きのう見ていて、あかぬけたなと、とてもきれいになった」