「ザ・お役所仕事」 「負け組」への「仕打ち」とは?
小泉元首相がかつて国民を煽動?した「勝ち組と負け組」論。その「負け組」の行きつく先のような“事件”が昨2007年、浜松であった。
『朝ズバッ!』は、「なぜあと一歩手をさしのべられなかったのか」と、この“事件”を取り上げた。
昨年11月22日昼、JR浜松駅の地下街で、弱って倒れているホームレスの女性(70)が発見され、通報で救急隊員が駆けつけた。女性は救急隊員に「4日間何も食べていない。ご飯が食べたい」と訴えた。
外傷など他に異常がないことを確認し、「救急患者ではない」と判断した救急隊員は、非常食を出すという浜松市役所にこの女性を運んだ。
市職員が、市役所内の花壇のコンクリート製ヘリに腰かけた女性に乾燥したアルファ米(100グラム入り袋)を渡した。
このアルファ米は、お湯なら20分から30分、水なら60分から70分で柔らかくなり食べられる。4日間何も食べていないのだから、せめてお湯にアルファ米を入れて出すのが人情だろう。しかし、水すら出さなかった。
市職員は、女性に「水が欲しい」といわれ紙コップで2回渡したが、女性は2杯とも飲んでしまったという。
市福祉総務課専門監の野中敬さんは「本当に弱っているのか重篤な状況であったのか職員には見てとれなかったようだ」と言い訳をしている。
結局、14時20分ごろ、通りかかった野宿支援グループの一人が女性に気付いたが、その時はすでに心肺停止状態で、数時間後に死亡した。
テレビをつければ、どこもかしこもお笑い芸人や大食女が“飽食”を競うグルメ番組ばかり。その一方では、もっとも面倒を見るべき末端の市役所からも見捨てられた「負け組」の末路。
みのは「市役所の敷地内でですよ。堪んないねえ」というが、まともな指導者がいなくなったニッポン。何か言う言葉があるだろう。