みの「奴隷なんて言葉が出てくるご時世だとは・・・」

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   「こんなことが、日本であるのか」とみのもんたが目をむいた。札幌市の食堂経営者が、長年にわたって知的障害者4人をただ働きさせたうえに、障害者年金まで横領していた。4人はおととい(2月13日)、食堂の運営会社と支援団体を訴えた。

よく我慢したと思いますよ

   代理人の西村武彦弁護士によると、未払の給与の合計が6600万円、年金額が2600万円になる。被害者は女性3人と男性1人。食堂に住み込みで16年から最長は30年近く働いていたが、その「実態」を聞くと奴隷さながらだ。

   朝7時から12時間以上、遅くは午後10時まで働いていたが、食事は昼夜を問わず厨房で立ったまま。男性はなぜか、夕食なしだったという。仕事が遅かったりうまくできなかったりすると、厨房のなかで罵詈雑言。トイレに行くだけでも、経営者に怒られていたという。

   しかも、休日は月に2日だけ。給料はゼロ。もらえるのは月2回の銭湯代390円だけ。女性3人は銭湯でも1人だけは湯に入らず、浮いた390円で3人分のジュースを買って飲んでいたという。おまけに障害者年金は、それぞれの通帳に振り込まれたものを、経営者が勝手に引き出して食堂経営資金にしていたのだと。

   2006年10月、4人が札幌市厚生相談所を訪れて実態が明るみになり、07年6月に保護された。「4人とも手足のあかぎれは最悪の状態で、やせていた」と弁護士はいうが、みのならずとも「明治時代じゃあるまいし」と思うような話だ。

   が、経営者は弁護士に「この子らの面倒を見てやってる。何も悪いことはしてない。ただ、年金は使わせてもらった。給料は払ってない」といっているそうだ。

   なぜ、だれも気づかなかったのか。札幌市は、「ベテランの職員が年に数回、経営者と入所者の話を聞き、働きぶりを見て、問題ありと認識していなかったわけで、それ以上何をするべきだったのか」という。そのベテラン職員とは、知的障害者支援団体の職員のこと。今回4人が訴えている相手である。

   その団体は「年に5、6回は行っていた。管理は食堂を信頼して任せていた。特に疑うようなことは感じられなかった。一企業のことにどこまで口だしできるか」というのだから、要するにだれも見ていなかったわけだ。

   「奴隷なんて言葉が出てくるご時世だとは思わなかった」とみの。「年に何回も見に行っていながら、30年間もわからないなんておかしい」

   吉川美代子は「経営者に聞いたらいいこというに決まってますよ」

   ここで浅野史郎が「20年前に厚生省の障害福祉課長やってましたが」と口を切った。「障害者の人権問題研究会というのを私的につくってましたが、こういう事例は沢山あった。女性の知的障害者への性的虐待とか。氷山の一角だと思う」「本人たちの身体の状態を見て、これはおかしいと思う想像力と関心をもたないといけない。犯罪のなかでもいやしい犯罪ですよ」

   杉尾秀哉は「完全な刑事事件ですよ。横領です」

   みのは「よく我慢したと思いますよ」と4人の状態を整理してみせた。「歯磨きはさせない」「下着は汚れたまま」「排便の始末も満足でなかった」。

   浅野は「(支援団体は)見てなかったんじゃないか。見てればわかりますよ」

   いま4人はずいぶんと健康状態がよくなって、笑顔も見られるようになっているという。にしても、30年とは――。

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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