ロボットのような人生?それじゃあだめだ 三ツ星シェフの転機とは

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   今回の『プロフェッショナル仕事の流儀』ゲストはフレンチシェフ・岸田周三。番組は岸田のもとに一本の電話がかかるシーンから始まる。それはミシュラン三ツ星ホルダー誕生の瞬間だった。33歳は現役最年少、フレンチ界では日本人初。なぜ彼は前人未到の地に到達したのだろうか。

   東京、白金台。閑静な住宅街の中に、岸田のレストラン”カンテサンス”はある。いま最も予約の取りにくいレストランの一つだそうだ。メニューはなく、シェフのお任せコースのみ。薄紅色の鴨のロースト、山羊乳のヴァヴァロワババロア・・・。その一皿一皿に、岸田の確かな自信が感じられる。

   厨房では、岸田が新たな一皿を考えていた。そこはまるで実験室かアトリエのよう。素材の組み合わせや調理法、味付けを微妙に調整しながら、探究心と勘で彼は新たな味を求め続ける。そんな岸田の信条「昨日より今日、今日よりも明日、進化する」、そこには生きる上で重要な意味を感じる。

   素材の持ち味を最大限に引き出す見事な火入れ技術。現代フランス料理の最前線を行く岸田の武器は、一つの出会いから生まれたものだった。26歳、岸田は念願のパリ修行のため、あてのないままに単身フランスへ。様々な経験のなかで、シェフ・バルボとの出会いが岸田の運命を変えた。従来のフランス料理とは異なる、ソースを使わない手法。食材と向き合い、その持ち味を最大限に引き出すバルボに、岸田は衝撃を受ける。「料理人はロボットではない」。バルボの一言に、岸田の方向性は大きく変わった。

   「オリジナリティがすなわちアイディンティティ。人の考え出したものを模倣するのは面白くない。自分にしか表現できないもの、それが自分の存在価値。だから、もっと新しいものができるんじゃないかという気持ちを忘れたくない」そう岸田は語る。なにか、自分に足りないものが、岸田の言葉に凝縮されている気がした。

   番組エンディング、プロフェッショナルの条件として、「高いモチベーションを維持すること」を挙げる岸田。そのバイタリティーを自分も見習いたい。

慶応大学 じんじん

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