2024年 4月 26日 (金)

遠慮なんかするな! アウトロー役北大路欣也

   テレ東の「幻十郎必殺剣」。原作は黒崎裕一郎のシリーズもので死神幻十郎が主人公の小説だ。この小説が好きでね、6冊ぐらいだったかな、全部読んだ。

   黒崎というのは、実は放送作家中村勝行のペンネーム。時代劇の必殺シリーズとか木枯し紋次郎とかを手がけた人だ。このドラマにも出てた中村敦夫・元参議院議員の実弟でもある。

   幻十郎は、同心を勤めていたがハメられて死刑を宣告される。しかし、楽翁という人物に助けられ、過去も名前も捨てた上で新たな人生を歩み始める。影の目付け役、みたいな仕事で頼まれれば人を殺したりもする。

   小説では、幻十郎の顔はカミソリでめちゃめちゃに切られている。知ってる人間に会ってもばれないようにするためだ。凄みがあるイメージを持っていたけど、ドラマを見ると、北大路欣也が顔ツルツルのいい男、で出ている。昨日(2月21日)取り上げた番組じゃないけど、ナンダコリャ、だよ。

   ほかにもドラマの幻十郎の笠姿というのか、かぶりものの格好がどうにもダサイ。小説を読んで抱いていたイメージはズタズタだ。

   話の展開自体もそつなく上品にまとめ過ぎている。原作は、命を捨てた男が虚無的に金で人を殺すような生活をしながら、そこに正義感だったり人間味だったりがにじみ出る作品だ。しかし、ドラマは誰がみてもおかしくないように、悪く言えば平板に描いている。残念だ。「いい子」過ぎるというワケだ。

   演技では、密偵をするなど幻十郎を助ける役の尾美としのりがしっかりしてるな、というのは印象に残った。

      アウトローを 大胆に描けよ 時代劇

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