2024年 5月 4日 (土)

田中麗奈のビミョーな悪女ぶり(猟奇的な彼女)

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   「猟奇的」といえばそれに続く言葉は「事件」「殺人」しか思いあたらないけど、この場合は「変人」「凶暴な」くらいの意味。

   と思っていたら、主人公の三朗(草なぎ剛)を海へ突き落とそうと背後から迫っていったり、ベランダから脱出するためのロープをしれっと彼の首にかけたり、病気の魚を鍋に入れて食べさせる凛子(田中麗奈)は、猟奇そのもの?!

   失恋したその日に、見知らぬ泥酔女(凛子)にヘドをかけられ、介抱してやったら今度は痴漢と間違えられて留置場送り。あれよあれよという間の三朗の不幸は、気の毒を通り越して笑っちゃうほど。おまけに職場にまで押しかけられ、つきまとわれ……それでも、恋に傷ついた彼女の心を知った三朗は、放っておけなくなってしまう。

   わらしべ長者のように次々と転がっていく展開や、「セカチュー」のパロディ、テンポの良い脚本で、初回は大いに笑わせてもらった。だけど2話、3話と見ているうちにだんだんビミョーな感じに……。

   それはたぶん朝倉南(松下奈緒)ちゃんのせい。三朗に思いを寄せる幼なじみの南ちゃんがとても可愛くて良い子なので、彼女との約束をすっぽかして、凛子のわがままに振り回されている三朗にイライラしてしまうのだ。

   乱暴なのはまだしも、ジコチューで他人に迷惑かけてもまったく平気な凛子って、どうなんでしょ。三朗が凛子に見せる優しさも、大事な人を待たせておいていったい何やってるんだと、優柔不断な浮気男にしか見えない。

   性格の悪いヒロインって、月9「ファーストキス」の井上真央、「佐々木夫妻」の小雪などを見てくると、なかなか難しいものだなと思う。映画だったら2時間のラストにちょっとホロッとさせれば丸く収まるけど、10話ひっぱっていくのはキツイかも。眉間にシワよせて威嚇顔つくる麗奈ちゃんも、さぞやお疲れ?。

   予定調和みたいに、南ちゃんの心は別の人に移っていっちゃったので、これからは第2章、新たな気持ちで見られるか。凛子の元カレの死といういきなりのシリアス路線に少々戸惑い気味だけど。

   ユーミンの「DESTINY」の歌詞の意味、運命とはアンラッキーをラッキーに変える力という解釈や、三朗が薔薇や憂鬱の字は書けなくても凛子の文字だけは書けるよう覚えていたこととか、心惹かれる部分も多いのでこの先の展開に期待したい。

※猟奇的な彼女 TBS系 日曜夜9時~
文   ツキノ・ワグマ
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