「頭打ち」中国 「次」への1手

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   この番組の冒頭では、国谷裕子キャスターが本日の放送内容をモノローグで要約する。興味を惹くための前口上とは違って、調査報告のサマリーを読み上げるような趣だから、テレビ的には身も蓋もない。その時間は結構長く、今回は2分間ぐらいあった。たぶん、忙しい人と国谷ファンには嬉しいサービスなのだろう。

   もちろん、本日の内容もきっちり紹介されていた。外資企業を積極的に誘致し、『世界の工場』と呼ばれるまでになった中国が、いま変わろうとしている。2回シリーズ「変わる『世界の工場』中国 」の第1回目は、題して「外資の選別が始まった」。

ハイテクに特化

   これまで中国では、安い労働力を大量に必要とする労働集約型産業がメインだった。それはそれでうまくいき、今だって経済発展を続けているのだが、そのままでは頭打ちだ。高度な技術が国内に根付かないし、労働者の賃金は上がらない。環境も悪化する。

   で、中国は国家的方針としてハイテク産業誘致を重視しだした。ハイテク産業だけ法人税を低くするなど、優遇することにしたという。北京、上海、広東――。発展が進んだ沿岸部はハイテクに特化。古い労働集約型は、発展の遅れた内陸部へ行ってもらう。地方には都市のお下がりをどうぞ、というわけだ。

   だいたい、こんな内容を国谷キャスターは話した。少し長い時間だったが、その説明は明快で、わかりやすかった。中国経済にはまるで疎い筆者も、これでひとつ賢くなった気がしたものだ。ただ問題は、その後にやってきた。

   せっかくの『現場』からのリポートが、重複、繰り返しのように思えてしまう。広東省に新しく造られたハイテク専門の産業(工業)団地。団地関係者のインタビュー。企業誘致を進めたい湖南省。そしてスタジオゲストの専門家の話。

   その話ならさっき聞きましたよ、と言いたくなる場面が多かった。番組の掘り下げが足らなかったような気もするし、事前に情報を仕入れ過ぎてたのかもしれない。

ボンド柳生

   *NHKクローズアップ現代(2008年7月8日放送)

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